マクラーレン・アルトゥーラ 詳細データテスト 鋭いレスポンス 秀逸なハンドリング 難点は乗り心地
公開 : 2022.10.29 20:25 更新 : 2024.11.10 08:56
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
アルトゥーラの価格設定は、おなじみの立ち位置だ。ポルシェ911ターボSやアストンマーティン・ヴァンテージ、メルセデスAMG GTといったトップエンドのスーパースポーツとアウディR8の間で、マセラティMC20や、ランボルギーニ・ウラカンの大半の仕様よりは下。フェラーリのPHVである296GTBよりはだいぶ安価だ。
つまり、従来のV8を積んだ570Sと大差ない金額なのだ。それを踏まえると、ゼロエミッション走行能力やハイブリッドスーパーカーとしてのステータスは、タダでついてきたもののようにすら思える。
オーナーであれば、信頼性やストレスなく所有できることを望むだろう。また、変化が進む最近の自動車マーケットにおいて、ガソリンエンジン単体のライバルより高いバリューを持ち続けることも期待するはずだ。これまでのマクラーレンの実績を考えると、どの問題も当たり前だとは思えない。
オーナーにはかなりの誠実さが求められる。とくに、重大な変更があった場合には。しかし、マクラーレンがそうした顧客に十分な敬意を払い、早い時期にOTAアップデートを実施すれば、アルトゥーラは市場の嗜好が変化し、新旧問わずスーパーカーのオーナーが電動化の必要性を感じることになるにつれて変容できる力が、マクラーレンにあることを示す好例となってもおかしくない。