欧州大陸を駆け抜けろ 最高のピックアップトラック 9選 趣味と実用の両立
公開 : 2022.10.30 18:05
2. フォード・レンジャー
11月に新型が発売されるフォード・レンジャーだが、現行モデルは英国におけるベストセラー・ピックアップトラックとして名を馳せている。強力なエンジン、乗用車に近いハンドリング、そしてお手頃な価格がレンジャーの武器だ。フォードが世界的に展開する「小型」トラックである。
現行モデルは、米国に次ぐ一大ピックアップトラック市場であるオーストラリアで設計され、2010年にデビュー。世界6か所の工場で生産され、欧州市場向けの車両は南アフリカから供給されていた。
ハイラックスと同様に、レンジャーにもシングルキャブ、エクステンドキャブ、ダブルキャブの各仕様が揃い、当然ながら乗員スペースが広くなるにつれて荷台が短くなる。エンジンは、最高出力213psの2.0L直4ターボディーゼルで、MT/ATが選択できる。新型では、V6ガソリンも採用される予定だ。
インテリアは比較的質素だが、快適なドライビングポジション、洗練されたメカニカル、優れたオンロード性能、調和のとれた車重バランスとボディコントロールにより、直感的なドライバビリティを実現している。
そして、オフロード仕様のサスペンションとワイルドなボディキットを持つ、狂暴な高性能モデル「レンジャー・ラプター」がある。値段は高いし、積載量が1トンに満たないので商用車としては使えないが、個人所有の趣味車としては非常に魅力的。ダカール・ラリーのステージのような環境でドライブを楽しみたいものだ。
新型の開発において、フォードはフォルクスワーゲンと提携し、プラットフォームと技術を共有している。そのため、最近発表された新型フォルクスワーゲン・アマロックとは兄弟車になる。
3. いすゞDマックス
いすゞが英国で販売しているはDマックスだけなので、一般的なドライバーには馴染みの薄いブランドだ。しかし、Dマックスは長年ピックアップトラック市場の静かな主役であり、最近も徹底的にリフレッシュされたばかりだ。
メルセデス・ベンツXクラスなどの競合車が販売終了となる中、いすゞは市場シェアを伸ばそうとしている。現在、Dマックスには必要最低限の機能のみを与えられた仕様と、最新のインフォテインメント・システムやデジタルメーター、上質な内装を備えたライフスタイル志向の仕様がある。シングルキャブとダブルキャブが用意されているが、エクステンデッドキャブはない。
最新モデルは、ピックアップトラックでは珍しくユーロNCAPの安全評価で5つ星(最高得点)を獲得したほか、オンロードでの走行マナーも良く、強力な製品となっている。ラダーフレームを採用しているため、非常に頑丈で、オフロードでの走行性能も抜群。
ライバルに遅れをとっているのは、パワートレインだ。1.9Lディーゼルは、前より静かになったとはいえ、最高出力162psと依然として低調である。6速ATでも6速MTでも、0-100km/h加速に13秒近くかかる。ただ、ハイラックスより安い価格設定が購入を後押ししてくれるかもしれない。