欧州大陸を駆け抜けろ 最高のピックアップトラック 9選 趣味と実用の両立
公開 : 2022.10.30 18:05
4. サンヨン・ムッソ
いすゞよりもさらにリベラル的なピックアップトラックを求めるなら、韓国ブランドのサンヨン(双龍)が販売するムッソはどうだろうか。ムッソという車名は、韓国では「サイ」を意味する言葉。価値観さえ合えば、立派なパフォーマンスとハンドリング、牽引力、ユーティリティを享受できるだろう。
2.2Lディーゼルは最高出力181psを発揮し、比較的パワフルな部類に入る。最大3.5トンのトレーラーを牽引する能力は、ライバルと比べても遜色ない。標準仕様では荷台が短く、少し特殊な外観だが、大人の乗員には十分な大きさのシートを4つ備えている。また、ピックアップトラックとしては全長がかなり短く、街中でも駐車スペースに苦労することは少ない。
荷台を延長したムッソLWBライノも販売されているが、こちらはロングホイールベースではなく、リアのオーバーハングが長くなっただけだ(車名の「LWB」とは一体……?)。
コーナーリングでは優れたグリップとロール制御を見せ、軽い小径ステアリングホイールはびしっとセンターが決まっている。ロードノイズや風切り音も少ない。乗り心地は許容範囲に収まる程度だが、エンジンは低速から活気があり、巡航時はとても静かである。
イネオス・グレナディア
ここからは、近日発売予定の注目モデルを紹介する。
近年、欧州のピックアップトラック市場が縮小していることから、真新しいモデルが欲しければ我慢するか、輸入しなければならないだろう。だが、面白いことに、この市場に挑戦しようという新興メーカーも出てきている。世界屈指の化学会社であり、ロンドンに本拠を構えるイネオスは最近、自動車部門を立ち上げ、新型SUVの発売を宣言した。
グレナディアと名付けられたこのモデルは、先代のランドローバー・ディフェンダーによく似たレトロなデザインが特徴で、嬉しいことにピックアップトラック仕様も用意されている。かつてのディフェンダー・ピックアップを彷彿とさせる、古風なモデルだ。ラダーフレーム、ライブアクスル、防水インテリアを備えたタフなオフロード車となる見込み。最大積載量1000kg、牽引能力3500kg、ルーフ積載量150kgを実現するという。
フォルクスワーゲン・アマロック
先述のように、新型フォルクスワーゲン・アマロックはフォード・レンジャーと多くの部品を共有する。欧州では2022年末に発売される予定。角張ったデザインを採用しており、乗用車的だった先代よりもタフな印象を受ける。ラダーフレームは商用バンのT6由来のものを使用しているが、フォルクスワーゲンによるとオンロードでの快適性を高めているという。インテリアはレンジャーと共通だが、独自の素材とステアリングホイール、シートデザイン、スイッチ類を追加している。