【現実の環境でテスト】BMW iX xドライブ50 一般道/高速道路/峠道で検証

公開 : 2022.10.31 20:15  更新 : 2022.11.01 10:33

航続距離は心強い どんな人にオススメ?

わたしがiXを受けとった時の走行距離は9002kmで充電量は90%、走行可能距離は481kmであった。

早速、自宅のガレージの8kWhの充電器で充電してみると、常時7-7.1kWが流れ、約2時間で100%となり、その時の走行可能距離は530kmであった。

1充電で500km以上走れるという点は心強い。
1充電で500km以上走れるという点は心強い。    戎大介

試乗車であるからこれまでどのような走りのスタイルをしてきたかは不明だが、カタログ上で650kmの走行可能距離を謳っているので、実際の走りではこんなものなのかと思った。

しかし、1回の充電で500km以上走れるというのは実に心強い。

2週間にわたった試乗の中で、走行パターンによりかなり走行可能距離は増減して、最大の場合は何と596kmまで伸びたがワインディングを走った後は、551kmまで落ち込んだ。

とはいえ、これだけの走行可能距離なら充分以上である。

2週間にわたる試乗で走った距離は551km、この間に5回充電をおこなったがいずれもポルシェの8kWhの充電器を使用し、総充電量は142.725kWhとなった。

したがって、平均電費は3.86km/kWhとなる。

本国のテストデータが3.9km/kWhであるから、かなり正確なデータではないだろうか。

価格は、車両本体価格が1116万円で、オプションが273万8000円分装備されており、合計金額は1389万8000円となっている。

オプションの内容は、外装色のアベンチュリアン・レッドに31万5000円、内装のファーストクラス・パッケージに63万5000円、ラウンジ・パッケージに65万2000円、テクノロジー・パッケージ75万8000円、エアロダイナミック・ホィールに15万8000円、スポーツ・パッケージに22万円である。

このあたりの金額になると、競合はアウディeトロンやメルセデスEQCなどになる。

SUVという枠を外せば、更に競合は増え、eトロンGTやタイカンも俎上に上がってくる。

総合的に見てけっして少額な買い物ではないので、BMW一筋でクルマ生活を送ってきた人に、これが新時代のBMWです、と言い切るには、もう一段の強烈な押しが欲しいと思う。

逆に、富裕層でそろそろEVを購入してみようか、という人にはEVの特徴をしっかりと打ち出しているiXはお勧めかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    笹本健次

    Kenji Sasamoto

    1949年生まれ。趣味の出版社ネコ・パブリッシングのファウンダー。2011年9月よりAUTOCAR JAPANの編集長、2024年8月より総編集長を務める。出版業界での長期にわたる豊富な経験を持ち、得意とする分野も自動車のみならず鉄道、モーターサイクルなど多岐にわたる。フェラーリ、ポルシェのファナティックとしても有名。

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