メルセデス・ベンツC220ブルーテック・エステート
公開 : 2014.08.21 23:40 更新 : 2017.05.13 12:51
■どんな感じ?
Bピラーの後ろからはワゴンならではの装いとなる。美的観点から言えば、ここからが問題の始まりなのだ。
あくまで筆者の意見ではあるけれど、セダンのデザインはセダンだからこそ成立し、それをワゴンのために調整したことにより、どうにも違和感を感じるのだ。もしかするとCLSシューティングブレークに見慣れすぎたせいかもしれない。
外観こそボルボやBMWのライバル勢に譲る結果となったが、インテリアの質感はどのライバルが追従し得ないことは、セダンを見ても明らかだ。
ガーミン製の憂鬱になりそうなナビゲーションが映し出される、兼価版タブレットのようなスクリーンに目をつぶれば、そこには磨き上げられたパーツや、やわらかな手触りの装飾品が広がる。
Cクラス・サイズのインテリア基準を大きく塗り替え、同時にワゴンの標準レベルを大きく凌駕したといってもいい。
ただしその実、ラゲッジ・スペースの容量は15ℓしか大きくなっておらず、膝周りのスペースは1mmたりとも改善されていない。
しかしシートの後方にある引金を引っ張れば、ワンタッチでリア・シートをフラットに近い状態にでき、1510ℓまで拡大することができる。ボルボV60やBMW3シリーズ・ツーリングより大きいのだ。
乗り心地はというと、スポーツ・トリムにも関わらず、金属コイルばねの乗り心地はとても滑らかで、悪名高き英国の路面においても、ふわりと凹凸を吸収していた。
3シリーズ・ツーリングよりも操舵はほどよくクイックな仕立てで、スポーツプラス・モードでも露骨にステアリングが重くなるといった印象もなかった。
ワゴンになったことによる重量増加も無視できるレベルに抑えられており、2.1ℓの4気筒エンジンが無理をしていると感じることもない。
特にミドル・レンジで発生する40.8kg-mのトルクもとても爽快なもの。0−100km/h加速には7.6秒も掛かってしまうけれど、先述のトルクのおかげで体感的には速く感じられるほどだ。
22.7km/ℓの複合サイクル燃費や、115g/kmのCO2排出量はメルセデスの歴代のディーゼル・エンジンよりも優れており、2.0ℓユニットを載せるボルボV60よりも優勢だ。