■どんな感じ?

1820kgの四輪駆動車に、4気筒ディーゼルで本当に大丈夫なのだろうかとお思いの読者もいらっしゃるかもしれないが、実際のところとてもいい仕事をする。パワー供給はスムーズでリニア、4500rpmまでも簡単に吹け上がってゆく。

100km/h巡航でもまだまだ余力がありそうな振るまいを見せ、8速のクイック・シフトの助けもあって、そこからの加速も非常に機敏なもの。

不満を述べるとすれば、そのエンジン音。ガラガラと響く類の音ではないけれど、クルージングでもディーゼル特有の音が耳に届く。

ロード・ノイズも目立つことから、遮音性に関してもあまり好ましいとは言えない。トランスミッションは高いギアを選びたがる傾向があり、エンジンの回転数を上げれば、キャビンのコンポーネントが共振し始め、ビビリ音が発生することもたまにあった。

しかし動力性能に関してはさすがはBMW。操舵は正確で、コントロールも容易。ステアリングはわずかに重いものの、ボディ・ロールも最小限に抑えこまれている。

ブレーキの制動距離も文句なしで、視界もとても良い。操作系も非常にシンプルだし、乗り心地も群を抜いて洗練されていた。風切り音も極小となっているおかげで、終始リラックスしながら、動力性能を味わうことができた。

エクステリアにも文句のつけようがない。出で立ちは非常にスマートで、SUVとしても馴染みやすいサイズである。前部座席にも後部座席にも充分な広さがあり、大きなトランクは非常に高い実用性を与えてくれる。

X3 xDrive 20dは、1段階上の高級感を手に入れたと言えるだろう。