2シーターの新型EVを導入? ケータハム 衝撃的な製品計画が明らかに
公開 : 2022.11.01 06:05
ケータハムは電動化に向けて、エンジン車のセブン、EVのセブン、そして2シーターのEVを計画しているとのこと。同社の最高経営責任者へのインタビューで明らかになりました。
ケータハムの「3本柱」計画に2シーター?
英国の自動車メーカーであるケータハムは、2030年以降の電動化時代に向けて、野心的な「3本柱」の計画を進めている。この計画では、多くの人に愛されているガソリン車のセブンを少なくともあと10年は製造し(1本目)、その間にセブンEVを開発(2本目)、そしてケータハム伝統の軽さとシンプルさを生かした全く新しい電動ロードスター(3本目)を発表する予定である。
ケータハムのボブ・レイシュリーCEOは、AUTOCARの独占インタビューに応え、近年好調な事業について語ってくれた。ケータハムは昨年、500台規模の生産体制に対し670台を販売したが、この「余剰」によって現在約1年分のキャンセル待ちが発生している。そこで、短期的には年間生産台数を従来の500台から拡大し、余剰分に対応しようとしている。英ケント州ダートフォードの主要生産ラインに加えて、最近ではケータハムの旧クローリー中古車センターを新車の組み立てに再利用しているのだ。
レイシュリー氏は、現行の環境規制ではエンジン搭載車を2034年まで製造できると考えている。2030年に英国が提案するディーゼル車とガソリン車の新車販売禁止が実現しても、輸出需要の拡大により販売が維持されるだろうと同氏は予測する。ここで重要なのは、米国が最近行った自動車登録法の改正「Show and Display」で、セブンのような「伝統的または技術的に重要」な輸入車の米国内での販売と、年間2500マイル(約4000km)までの走行が可能になったことだ。
その一方で、エンジン搭載車の英国での需要も非常に強く、EV(電気自動車)の販売を求める人はまだ少ない。だが、実験的なモデルはいくつか試作されており、レイシュリー氏もセブンEVのプロジェクトが順調に進行中であることを認めている。
しかし、一番の衝撃は、「2シーター」の電動モデル計画である。レイシュリー氏は、現時点では「頭の中のアイデアにすぎない」と主張するが、2021年半ばからケータハムのオーナーとなった日本のVTホールディングスがその実現に意欲的であることも明言している。ケータハムは以前、ルノーとの共同開発で2ドア・クーペ「C120」の導入を計画していたが、実らなかった。C120は結局、ルノーとの提携解消後にアルピーヌA110として昇華した。
新型車は、新工場でセブンより大量に生産され(年間1000台も視野)、販売価格は現在のセブンより高くなる見込みである。レイシュリー氏は発売時期の明言を慎重に避けたが、VTホールディングスが生産開始を強く望んでいることから、早ければ2026年にも発表される可能性がある。場合によっては、セブンEVよりデビューが早いかもしれない。