ミニバン食いで成功「マツダCX-8」 今、変化が必要なワケ 大幅改良 背景にCX-80?

公開 : 2022.11.02 11:30

マツダの狙いは当たった……

こうしたCX-8の挑戦の結果はどうだったのだろうか?

まず販売台数でみると、販売計画は月1200台で導入翌年には年間3万台を突破。

マツダCX-8(2022年大幅改良前)は、ディーゼルのスカイアクティブD 2.2のシェアが65%と圧倒的。
マツダCX-8(2022年大幅改良前)は、ディーゼルのスカイアクティブD 2.2のシェアが65%と圧倒的。

その後、販売は2万台前後で推移し、直近2022年9月まではモデルライフ後期ということもあり販売のペースはやや落ちている状況だ。

次に、CX-5と顧客層を比較すると、既婚で子どもがいるユーザーが78%となりCX-5の44%を大きく凌ぐ。

マツダの調べでは、CX-8では実際に乗車人数が5人の場合が多く、しっかりと3列シートを活用しているユーザーが多いのだという。

CX-8のオーナー年齢については、40代以下が半数以上を占め、最も多いのが30代だ。

その背景には、やはりCX-8購入検討時の比較対象車の存在がある。

1位と3位が国産最大手メーカーのSUVであり、2位は同社の大型ミニバンだ。モデル名は伏せられているが、十分に想像がつくだろう。

つまり、商品企画上のCX-8の狙いは想定どおりに見事当たっていることになる。

また、自社モデルからの下取り車は、CX-8が最も多く、次にCX-5という結果だ。

CX-8ユーザーは、CX-8を国産3列シートSUV市場の開拓者という唯一無二の存在として認めているのだと思う。

また、エンジンのチョイスについては、ディーゼルのスカイアクティブD 2.2のシェアが65%と圧倒的だ。

大幅改良の背景にCX-80?

さて今回おこなわれた2022年の大幅商品改良は、初代登場から5年目という2回目の車検を迎えるタイミングである。

狙いは「商品の世界感を広げ、キャラクターを明確化し、多様なライフスタイルに応えるとともに、CX-5/CX-60とあわせ、3つの最新SUVラインナップでお客さまのニーズに幅広く対応する」という。

マツダCX-8改良モデル
マツダCX-8改良モデル    マツダ

近い将来、CX-60の3列シート版であるCX-80が国内市場に導入されることが決まっている。

だが、CX-5/CX-8と、CX-60/CX-80は、FFベースとFRベースという差だけではなく、商品性も違うため互いに食い合いをすることなく、しばらくの間は並存していくことになりそうだ。

大幅改良を受けたCX-8は、最上級の「エクスクルーシブ・モード」、スポーティな「スポーツ・アピアランス」、「ブラック・トーン・エディション」、レジャー向けの「グランド・ジャーニー」、そしてエントリーモデルの「スマート・エディション」というグレード構成となる。

これにより、Lパッケージとプロアクティブは廃止される。

エクステリアとインテリアともにリファインされて、さらに上質で高級さを増した印象だ。

また、サスペンション設定変更で、ドライバーだけではなく、2列目・3列目の乗員に対しても乗り心地を改善している。

発売は2022年12月下旬で、現状で納期は3~4か月ということだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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