改良「マツダCX-8」価格発表 グランドジャーニー/スポーツアピアランス登場で、どう変わる?
公開 : 2022.11.02 12:03 更新 : 2022.11.02 13:02
4. サス&シート 乗り心地を追求
3列シートの多人数乗用車であるCX-8。
今回の改良では、快適性の向上も図られた。端的に言ってしまえば、より思いどおりに、不安なく走ってくれることを目指している。そのため、SKYACTIVアーキテクチャーと新世代商品群技術を採用した。
まず、ダイナミック性能を“深化”させるために、サスペンション(スプリングとダンパー)を改善。たとえば、段差を乗り越えるような場面で、乗員の頭が上下に動かされないように、また、うねりのある路面で車体が前後に揺すられないようにすることで、疲れにくさや酔いにくさを改善している。
さらに、外側前輪へ荷重をかけていく量を、ハンドルの操作量と滑らかに比例させることで、思いどおりの走行ラインを描けるようになり、ロードスターのような「人馬一体」感を高めた。なお、従来型から採用しているGベクタリングコントロールは、キャリーオーバーされている。
シートの機能も進化した。本革シートの場合、クッション座面の形状を変更して、折り目のヘコミを少し前に移動。その結果、骨盤を立たせるような着座姿勢となり、より安定して、しかも長時間の運転でも疲れにくくさせている。
加えて、クッションのバネを変更することで、バネ定数も最適化させ、快適性を向上させている。
5. 選ばれる「3列目の安全性」
ミニバンやSUVの3列目シートに座って後方を振り返ると、わりと近くにリアウインドウがあり、「万が一、追突事故に遭ったら大丈夫かな?」と思われた経験を持つ読者諸氏もおられるのではないだろうか?
マツダでは、大切な人を守る3列目シートの安全性を重視し、法規に加えてマツダ独自の基準を追加して開発している。
日本国内の法規では、50km/hのフルラップ追突で、燃料漏れがなければ良いとされている。
だがマツダでは、80km/hの70%オフセット追突で、燃料漏れがないことはもちろん、最後席の生存空間を確保し、非衝突側の後席ドアが人力で開くことを基準としている。
これは、高速道路で渋滞最後尾に80km/hの乗用車が追突したことを想定している。追突事故の99%は、80km/h以下で発生しているのだという。
この基準をクリアするため、CX-8ではリアフレームをまっすぐに配置した「ストレートフレーム構造」や、Cピラー下の二又構造を採用して、乗員空間をしっかりと守っている。実際の試験後、3列目シートの変形は少なく、生存空間は確保され、ドアも変形せずに開閉が可能だった。
この3列目シートの安全性は、もちろん今回の改良から採用されたものではなく、従来からのCX-8に採用されているものだ。子どもがいる購入者が安全性を重視する割合は、CX-8では他のSUVやミニバン購入者よりも抜きん出ているという。
つまり、CX-8のユーザーは、アクティブな時間から上質な時間まで、人生の楽しみを広げるために、安全性も重視して購入するという人も多いようだ。