蝶のように優しくしなやか マツダMX-5(ロードスター) お手頃ドライバーズカー選手権(3)
公開 : 2022.11.13 08:25
他のモデルで感じる小さな不一致感
両手と両足で、しなやかなシャシーを操る。ステアリングホイールのレシオも、クイック過ぎることはない。アクセルペダルでラインを探りながら、コーナリング・スタンスを調整していける。入力に対する反応はクリアでダイレクトだ。
マツダ・ロードスターを1度知ってしまうと、他のモデルで感じる小さな不一致感を看過できなくなってしまう。普段の小さなフラストレーションが、溜まり続けていくともいえる。たとえ、優れたフィエスタ STやトヨタGRヤリスだとしても。
ただし、ロードスターで果敢に攻め込んでいくと、路面変化に姿勢制御が追いつかなくなる場面もある。そこから、アンダーステアへ転じていく。ワインディングを縫うように果敢に走る、今回のホットハッチ2台へ追いつくことはできない。
走りに高速域での楽しさを追い求めないなら、ロードスターはド直球の正解だ。同時にもう少し路面を掴み、もう少しパワフルでも良いと、筆者は思う。
そして最後に残ったのは5台で最も登場の古いトヨタGT86(86)。2012年の発売時、英国では記載内容が誇大だとして広告規制局から指示が入り、広告が差し止めになった。しかし、トヨタは自らの新作がどんな内容なのか、はっきり理解していた。
誇大なんてことはなかった。率直にいって、楽しすぎた。
この続きは(4)にて。