最高の普段使いスポーツカー ポルシェ・ケイマン(981型/2代目) 英国版中古車ガイド

公開 : 2022.11.15 08:25

お値打ち価格で流通している981型

近年の英国の中古車市場を眺めてみると、この981型ケイマンがお値打ち価格で流通していることへ気が付く。悪くない状態のものでも、2万5000ポンド(約415万円)前後で入手が可能なようだ。

毎日の通勤を楽しくしてくれるだけでなく、素晴らしい操縦性は週末の最高の伴侶にもなってくれる。ミドシップの2シーター・クーペとして考えれば荷室は広く、お買い物にも困らない。インテリアは上質で、堅牢に作り込まれている。

ポルシェ・ケイマン(981型/2012〜2016年/英国仕様)
ポルシェケイマン(981型/2012〜2016年/英国仕様)

今後は、経年による価値の低下も小さいはず。もっとも、ひとたびオーナーになったら手放したいとは考えにくいはずだが。

新車時代のAUTOCARの評価は

これほど優れた動力性能と操縦性を備えたライバルは、他に存在するだろうか。停まった状態の美しさも見逃せない。

価格は競争力に長け、今後の価値も約束され、燃費も優秀。車内は快適で、2シーターのスポーツカーとして考えれば実用性も低くない。このクルマの真価は、すぐには理解できないほど高いといえる。(2006年1月17日)

購入時に気をつけたいポイント

メンテナンス間隔

ポルシェは2年か3万2000km毎の点検整備を指定しているものの、専門家は年1回は実施した方が良いと話す。油脂類を新鮮な状態に保ち、潜在的な不具合へ早期に対応するためだ。結果的には安く済むという。

ダイアグノーシスへつなぎ、ダッシュボード上の走行距離に偽りがないか事前に確かめたい。エンジンをレブリミットまで回した履歴や、エラーコードが出ていないかなども確認できる。

サスペンションとブレーキ、クラッチ

ポルシェ・ケイマン(981型/2012〜2016年/英国仕様)
ポルシェ・ケイマン(981型/2012〜2016年/英国仕様)

PASMのアダプティブダンパーからオイルが滲むことがある。

ブレーキペダル部分のブッシュは劣化しやすい。まれにペダルが完全に戻らず、ブレーキが軽く掛かったままの状態になり、ディスクが加熱することも。早期に修理したいポイントだ。

MTの場合、クラッチペダルが重い場合は寿命が近い証拠。

ボディとシャシー

ボディは多くがアルミニウム製なため錆びにくい。フロントバンパーやフェンダー、サイドシル、フロントガラスなどは飛び石キズが付きやすい。予め観察したい。

維持状態が悪いとエアコンのコンデンサー、ラジエター、エグゾーストシステムの固定部分などにサビが生じがち。

インテリア

PDKを積んだケイマンのステアリングホイールには、PDK用のボタンが付いていた。スポーツ・ステアリングホイールとシフトパドルには、専門ショップで交換できる。

タイヤ

ケイマンにはN規格のピレリPゼロが標準装備されていた。ワンダリングが強いため、ミシュラン・パイロットスポーツ4Sなどへ交換されていることがある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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