スバル色ポルシェ、なぜ誕生? スバルエンジン搭載「ポルシェ911 GT3 STI」 製作者に訊く
公開 : 2022.11.13 21:10
スバルとポルシェの要素を絶妙に配合
スバルSTIによってチューンされたEJ25エンジンは911のストックエンジンの出力421psを超える改造ができると考えたファルークさん。
ボルグワーナーEFR 7064-Cターボと大規模なVibrant Vertical Flowインタークーラーでアップグレードを考えた。
「オイルの廃油ポンプを付け加える関係でもう少し高い位置にターボを移設するかもしれません。エンジン自体はスバルなので、ECUもリンク製のスバル用を用いています」
「プロジェクトをスタートした当初はすんなりと換装が進むと考えていました。ですが、ドライブシャフトと繋ぐ際のたった40mmの空間で大変な作業となりました」
「トランスミッションはスバルのものを使っていますが、反対に作用する(ポルシェは後輪駆動、スバルは前輪駆動であるため)部品を取り寄せて搭載することに」
「これらの作業はカリフォルニア州マリエタにあるSubiWorksによって組み立てられています。また、オーストラリアSubarugears製品のリバースカットリングギアとベルハウジングを備えたインプレッサ用6速トランスミッションを介して後輪に伝達されます」
ファルークさんは外装にもかなりのこだわりを見せている。
エクステリアのデザインに関してもポルシェとスバル両方の要素が絶妙なバランスで入れ込まれている。
「外装のデザインはポルシェとスバル両方の要素を取り入れました」
「フロント部はポルシェ917Kでお馴染みのカラーリング『ザルツブルク』のストライプで、サイドのデザインにはスバル製エンジンのマシンらしく六連星をあしらっています」
「ENEOSポルシェ911 GT3 STIは、クラシックなザルツブルク・ポルシェ917とスバルの特徴的な世界ラリー選手権車両の両方にインスパイアされたユニークなカラーリングで仕上げられました」
昨年も日×独スワップモデルを展示
「なお911 GT3のルーフは元々サンルーフ仕様だったのですが、わたし自身、サンルーフが好きではないのでここはカーボンルーフへと交換しました」
「そして車両全体を3Dスキャンし、友人の会社で専用のロールケージを設計してもらいました。機械で曲げられたチューブが 弊社(DevSpeed) に送られ、友人の会社であるMarcus Fryが信じられないほど密着したケージを溶接しました」
「Aピラーを見てもらえるとわかりますが、ケージとピラーが溶接できるほどギリギリの設計です。オリジナルのダッシュボードも3Dスキャンのデータを活用し、3Dプリンターで製作しました」
「足まわりではBCレーシングのサスペンションに、ホイールはロティフォーム917を組み合わせています。広大なフェンダーには、伝説的なポルシェのデザインを踏襲した巨大な19×10インチのフロントと19×13インチのRotiform 917ホイールが収まります」
「このホイールのデザインはポルシェの往年のマシン『ポルシェ917』から着想を得ており、また、ゴールドのカラーもスバルの雰囲気とあっていると思います」
なお、ファルークさんは昨年も同じエネオスブースですごいカスタムカーを披露している。
「ホンダパワードBMW」と名付けられた1台で、1985年型BMW 318iにホンダS2000の2.0L 4気筒エンジンを換装している。
BMW E30 M3の2.3L 16Vエンジンにさえ匹敵する、より強力で軽量なエンジンを提供することを目的としたビルドで、コードネームF20Cの強力なVテックエンジンは、強制吸気を必要とせずに240psを発生する。
来年のSEMAエネオスブースにはどんな、とんでもないカスタムビルドカーが登場するのだろうか?
ファルークさんのような著名ビルダーは1年以上前からSEMA出展の車両を準備するという。
彼が来年もエネオスブースにクルマを出展するならすでに準備に入っているだろう。今から楽しみである。