北欧モダンな7乗りEV ボルボ、新型「EX90」発表 1回の充電で580km

公開 : 2022.11.11 18:05  更新 : 2022.11.14 10:44

ボルボは7人乗りの新型EV「EX90」を発表しました。XC90に並ぶフラッグシップの大型SUVで、航続距離580km、最高出力517psを達成。環境負荷に配慮したインテリアも特徴です。

7人乗り大型EV 2024年発売

ボルボ・カーズは7人乗りの新型EV「EX90」を正式に発表した。同社の新CEO、ジム・ローワンは、安全性における新基準を築くものであるとしている。

事実上、現行のボルボXC90と同クラスのSUVで、2024年に欧州で発売される予定だ。XC40リチャージ、C40リチャージに続く3番目のEVだが、プラットフォームにはボルボが開発したSPA2を初めて採用した。技術的には先日公開されたポールスター3と密接な関係にあるが、3列シートを備えている点が特徴的だ。

ボルボEX90
ボルボEX90    AUTOCAR

スタイリングは、昨年の「コンセプト・リチャージ」をベースにしつつ、XC40リチャージに見られるクローズドグリルや直立型のテールライトなど、ボルボのおなじみのデザインを踏襲している。また、航続距離を最適化するために空力効率にも磨きをかけ、空気抵抗係数Cd値0.29とされている。

ツインモーターの四輪駆動で、最高出力407ps、最大トルク78kg-mを発生させるが、パフォーマンスモデルは最高出力517ps、最大トルク92kg-mとなる。どちらも最高速度は180km/hに制限される。より低出力のシングルモーター仕様も登場する予定である。

111kWhのバッテリーを搭載し、電力消費効率は1kWhあたり4.7km、航続距離は580~586kmとされる。最大250kWの充電に対応し、30分で10~80%の充電が可能。

全長は5037mmで、現行のXC90よりわずかに長い。また、幅はXC90より広いが、車高は若干低く、車両重量は2818kgである。7人乗りでトランク容量は310L、3列目を畳んだ状態(5人乗り)で665L、2列目も畳むと1915Lになる。

足回りとしては、22インチのアルミホイールとエアサスペンションが標準装備となる。

先進の安全装備を導入

EX90では、安全に関するソフトウェア、ハードウェア開発が重視されている。注目は、LiDARを標準装備(センサーをルーフ前端に搭載)していることだ。他のセンサーやカメラを補完し、先進の運転支援システムを強化するものである。

当初は、車線変更を支援するステアリング・サポート機能が追加されたボルボの運転支援システム「パイロット・アシスト」の改良版が搭載される予定。ボルボによると、将来的に特定の条件や場所で「監視なしの自動運転」を実現する機能をOTA(無線)サブスクリプション方式で提供するという。

ボルボEX90
ボルボEX90    AUTOCAR

また、車内センサーでドライバーの目の集中力を測定し、注意散漫や居眠り運転を警告することができる。

こうした新しい安全機能とインフォテインメント・システム、バッテリー管理システムは、先進のNvidia DriveとクアルコムのSnapdragon Cockpitプラットフォームを使用したコアソフトウェアによって制御される。

インテリアダッシュボードは、グーグルベースのインフォテインメントを搭載した14.5インチのセンタータッチスクリーンを中心に構成されている。OTAアップデートに対応するため、5G接続機能を標準装備する。

発売当初に設定される上位グレードは、ドライバー監視システム、パノラミック・ガラスルーフ、25スピーカーのBowers & Wilkinsオーディオなどを装備する予定。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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