ウルス・ペルフォルマンテ日本導入 ランボルギーニの近未来は? ヴィンケルマンCEOに聞く
公開 : 2022.11.13 14:15
EV開発の進め方 2028年に4ドアEV
こうした中、ランボルギーニとしては中期事業計画「コル・タウリ」を公表している。
それによると、2023年にはランボルギーニの量産シリーズとして初めてハイブリッド技術を搭載するPHEVを市場導入する。2024年には全ての新型モデルをPHEVとする。
さらに、2028年にはランボルギーニとして初となるEVモデルを登場させるとしている。
このEVモデルについて、ヴィンケルマンCEOは「4ドア・スポーツカー」という表現を使った。モデルとしての立ち位置は、ウラカン後継の2ドア・スーパースポーツカーと、ウルス後継のスーパーSUVの中間を想定しているという。
会見後の個別取材で、筆者からはEVモデルではフォルクスワーゲン・グループ内での車体(プラットフォーム)やモーターなどの電動パーツの共用について、例えばポルシェ「タイカン」とアウディ「eトロンGT」のような関係性が、ランボルギーニEVでも適用するのかについて聞いた。
これに対して、ヴィンケルマンCEOは「ランボルギーニの企業規模ではグループ内でのEV関連パーツを共用するのは必然であり、そうした体制にあることは我々とって大きなアドバンテージだ」とした上で、「ソフトウェアの領域で、ランボルギーニらしさを創出していくことが(成功に向けた)カギとなる」という姿勢を示した。
ICEはなくならない? 注目の発言
別の視点で「ウルスが良き成功例だ」として、フォルクスワーゲン・グループ内での部品共用の優位性を指摘し、2028年に市場導入予定の4ドア・スーパーEVに対する期待を高めた。
また、ウルスが累計販売数2万2000台という成功を収めたことについてもヴィンケルマンCEOに改めて振り返ってもらった。
すると「他のスーパースポーツカーメーカーがこぞって、スーパーSUV市場に参入し市場規模が大きくなった」ことが、ウルスがこの規模の台数を実現できた背景だとした。
その上で「パフォーマンスはもとより、(エクステリアとインテリアの)デザインで他に類のない、ランボルギーニらしさを実現したことがウルス成功の大きな理由だ」という認識を示した。
それからもう1点、記者会見でのヴィンケルマンCEOの発言で筆者が気になったのは、合成燃料について触れた点だ。
つまり、V12やV8を使ったモデルが2035年以降も、国や地域によっては継続的に新車販売される可能性を探っていきたいということだ。
スーパースポーツカーメーカーにとっては、富裕層ユーザーからの幅広いニーズに応えるためには、電動化のみならずICE(内燃機関)による“伝統的なランボルギーニらしさ”を継承していきたいという強い想いがある。
今後もランボルギーニの次世代戦略の動向を注視していきたい。