DS プレミアムな新型SUV、2年以内に発売へ アウディQ5の対抗馬に?
公開 : 2022.11.16 06:05
ステランティス傘下のDSは、2024年末までに新型の電動SUVをデビューさせる予定です。既存のDS 7よりも一回り大きいミドルクラスSUVとなる可能性があります。同社CEOへのインタビューで明らかになりました。
新たなフラッグシップSUV
フランスの高級車メーカーであるDSは、2024年末までに大型SUVを発売する予定だ。現行のDS 7よりも上位の電動モデルとなるという。
この新型車は、2020年に公開されたコンセプトモデル「エアロ・スポーツ・ラウンジ」をベースとしているようだ。コンセプトは全長5mに及ぶ大型SUVだったが、新型車はアウディQ5などと同クラスのミドルサイズSUVになる可能性がある。
DSのベアトリス・フーシェCEOが明かしたところによると、すでに本格的な開発テストが行われており、ボディサイズこそコンセプトと異なるものの、デザインは忠実に反映しているという。
フーシェCEOは、「シルエットはコンセプトから着想を得ており、ハッチバックとSUVの中間で、素晴らしいエネルギー効率を実現します」とし、インテリアは「目を引く」ものになると述べた。
新型車はEVで、1回の充電での航続距離は約690kmとなる見込み。最近DS 3 Eテンスに採用された、新開発のバッテリーを搭載するものと思われる。
また、この新型車と同時期に、EV仕様のDS 4が発売される見通しである。DSは、2024年から電動モデルのみを販売する計画だ。
DSは2009年にシトロエンのサブブランドとして設立され、2015年に独立した比較的若い会社だ。そのため、既存の内燃エンジンブランドでは困難なEVへの移行も、比較的容易であるとフーシェCEOは述べている。
「これは、知名度が高くないことの大きな利点です」
「電動化のストーリーで人の心をつかむ。これはテスラがやったことです。わたし達にも、ストーリーを作る余地があります。そのため、新開発のバッテリーとパワートレインをステランティス傘下のブランドとして初めてDS 3に搭載し、グループにおけるリーダーとなったのです」
供給不足の中での立ち回り
以下、DSのベアトリス・フーシェCEOとのQ&A。
――自動車業界が直面しているさまざまな課題に対し、DSはどのように戦っているのでしょうか?
「もっと生産台数を増やしたいのは確かですが、DSは(部品供給不足から)かなり守られています。その第一の理由は、ステランティスの中で非常に収益性の高いブランドであるからです」
「第二に、一部の高級車ブランドが大いに供給不足に陥っているこの時期を利用しなければならない、ということが挙げられます」
「3か月から6か月以内の納車を約束できることで、市場シェアを伸ばしているのです。それほど短いものではありませんが、一部の(ライバル)ブランドよりは優秀です」
――DSにとって、ラインナップ5車種は適切な数なのでしょうか?
「あまり多く揃える必要はないと思います。多ければ多いほど、結局はモデルが重複しまうんです」
「ですから、わたしとしては5車種でいいと思っています。それ以上は求めません。ただ、2025年以降の計画を決めるには、もう少し時間が必要です」
「電動化への移行でコストが高くなり、そうした流れがおそらくDSをさらに高級化させるでしょう。そのため、(長期的には)DSのラインナップに適切なエントリーモデルを検討する必要があります」
――主流ではないモデルが加わる余地はありますか?例えば、高級クーペなど。
「非常に難しい状況であることに変わりはありません。しかし、ステランティス内の他の高級車ブランドと協力する機会もあり、技術の共有やシナジーによって新しいことをできるのではないか、という議論はすでに何度か行っています」
「本来のブランディングとは異なるので、スポーティなクルマを売ると言うつもりはありませんが、新しい何か(もっと高級なモデル)を探しています」