トヨタ新型「プリウス」、7年ぶりモデルチェンジ ハイブリッドのアイコンが歩んだ25年とは
公開 : 2022.11.16 14:16 更新 : 2022.11.16 20:52
フルチェン並のMC、2代目へ繋ぐ
初代プリウスは2000年5月にマイナーチェンジを実施する。内外装の変更はもちろんだが、エンジンの出力向上やモーターをより強力なものへ置き換えたほか、回生ブレーキの改良などの機能面での強化を図り、車両型式がNHW10からNHW11へと変更されるほどの大掛かりなものとなっていたのだった。
2003年9月に2代目へとフルモデルチェンジを果たしたプリウスは、初代とは打って変わってワンモーションフォルムを纏った5ドアハッチバックへとスタイルを変更。また日本国外での販売も考慮して、ボディサイズは全幅を拡幅し、3ナンバーボディとなった。
搭載されるエンジンは初代に引き続き1.5Lの1NZ-FXE型だが、モーターを新型へと置き換え、ハイブリッドシステムもTHS-IIへと進化したことで、カタログ燃費は当時世界最高となる35.5km/Lとなっている。
またモーターの性能が強化されたこともあって、短い距離ではあるもののモーターのみでの走行を可能とする「EVモード」のスイッチが新設されたり、エンジンが始動していない状態でもクーラーを作動することが可能となる電動インバーターエアコンを市販車としては世界で初めて搭載するなど、更なる最新技術が多く投入されていたことも特筆すべき点と言えるだろう。
また燃費性能の追求だけでなく、走りの楽しさにおいてもプリウスは早くからチャレンジしており、「ツーリングセレクション」なる専用のフロアアンダーカバーやスポイラー類を追加し、16インチタイヤやチューニングサスペンションを装着したグレードが設定されていた点も注目したいところだ。
ついに排気量アップ 3代目へ
2009年5月には3代目プリウスが登場。それまで1.5Lだったエンジンを1.8Lへと排気量を拡大し、ハイブリッドシステムも全体の90%以上を新開発した「リダクション機構付THS-II」へ一新。その結果、カタログ燃費は世界トップクラスとなる38.0km/Lという驚異的な数値をマークしていた。
また時を同じくしてホンダから買いやすい価格のハイブリッド車に変貌した2代目インサイトが登場したことで、3代目プリウスは当初の予定価格を大きく下げるとともに、2代目モデルを「プリウスEX」として主に法人ユーザー向けに低価格で販売するといった対策も打ち出していた。
3代目プリウスの登場が当時のエコカー減税政策のタイミングと重なったことや、プリウスがハイブリッド車として認知度も上げてきたことも相まって、発表から注文が殺到。ピーク時は納期が1年前後と言われるほどの大ヒット車種となり、2009年の販売台数ランキングトップに輝いている。
そして2012年1月からは、それまで官公庁などを中心にリース販売していたプラグインハイブリッドモデルの「プリウスPHV」を発売。バッテリーのみで26.4km(カタログ値)の走行を可能とし、プリウスの新たな可能性を感じさせる1台となっていた。