こんなクルマが出るなんて! 意外すぎた市販車 23選 名車と迷車のオンパレード

公開 : 2022.11.19 18:05

自動車メーカーは時として、これまでに作ったことのないクルマに挑戦することがあります。今回は、発売されるとは夢にも思わなかった「まさか」なクルマたちを紹介します。

発売されるとは思わなかったクルマたち

今年9月、ある1台のクルマが世界を驚かせた。フェラーリプロサングエである。広い室内空間に大人4人を乗せる実用的なSUVでありながら、フェラーリ伝統のV12エンジンを搭載するハイパフォーマンスカーでもある。

サーキットを颯爽と駆け抜けるスポーツカーの名門フェラーリから、このように車高が高く快適そうな4ドアの大型SUVが登場するなんて。発表のニュースはクルマ好きの間で議論を呼んだ。とはいえ、iPhoneが公衆電話からかけ離れた存在であるのと同じように、フェラーリ・プロサングエは第二次世界大戦中のジープとはかけ離れたSUVなのだ。

人々の期待を良くも悪くも「裏切った」クルマを紹介する。
人々の期待を良くも悪くも「裏切った」クルマを紹介する。

そしてプロサングエは、市場(顧客)の要望から生まれたクルマである。このように、かつては作り手自身も想像もしなかったようなクルマがいくつも生み出されてきた。あるものは、メーカーに素晴らしい付加価値を与え、またあるものは、大きな衝撃をもたらしながら転落していった。そして、思いがけず重要な存在となったものもある。ここでは、その代表的な例を紹介しよう。

ロールス・ロイスカリナン(2019年)

カリナンの発表当時、AUTOCAR英国編集部はこうコメントしている。

「ロールス・ロイスは、初代ポルシェカイエンのように、ロールスらしいデザイン要素を取り入れようとした。それはSUVには通じないのかもしれないし、わたし達がまだ慣れていないだけなのかもしれない」

ロールス・ロイス・カリナン(2019年)
ロールス・ロイス・カリナン(2019年)

ロールス・ロイスにSUVを求めたのは、他でもない顧客である。オフロードを走るロールス・ロイスというのは、実はそれほど異質なものではない。初期のロールス・ロイスは、その堅牢性からアラビアのオフロード走行によく使われ、第一次世界大戦中には軍の装甲車としても使用された。

まぁ、初代カイエンと同様、カリナンのルックスには悩まされるが、慣れれば良く見えてくるかもしれない。

アストン マーティンシグネット(2010年)

当時のAUTOCARのコメント「今日、従来のシティカー(小型車)を購入する大多数の人にとって、新型アストン マーティン・シグネットの発表は、今世紀で最も馬鹿げたことの1つに数えられるに違いない」

トヨタの超小型車iQは、英国が誇るスポーツカーブランド、アストン マーティンのベース車両としては、最も「らしくない」クルマであることは多くの人に共感いただけるだろう。

アストン マーティン・シグネット(2010年)
アストン マーティン・シグネット(2010年)

両社の間で交わされた(きっと熱のこもった)会話の結果生まれたと思われるシグネットは、新車当時こそなかなか売れなかったものの、不思議なことに生産終了後の現在では非常に高い価値を持ち、人気を博している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・ブレンナー

    Richard Bremner

    英国編集部
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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