アウディR8(2006年)

当時のコメント「記録開始以来、フォーシルバーリングス(アウディのエンブレム)をつけたクルマの中で最も過激なロードカー」

ランボルギーニの内面を持つアウディR8は、性能的に驚くべきスーパーカーであるが、「ビジネス」的にも驚くべきものだった。アウディはランボルギーニを傘下に置いているため、わざわざ競合するようなモデルを発売することの意外性も大きかったのだ。

アウディR8(2006年)
アウディR8(2006年)

しかし、個人的に一番驚いたのは、エンターテインメント性に富んだダイナミクスと、アウディの中で最も優れた(A8よりも良い)乗り心地だった。

トヨタ・ファンカーゴ(1999年)

当時のコメント「整然とデザインされたシートアレンジ、素晴らしいパッケージング、そしてこの価格ときたら……」

トヨタ・ファンカーゴは、海外でもヤリス・ヴァーソの名で販売されており、発売当時のAUTOCAR英国編集部は、その理路整然とした室内デザインに目を点にしたようだ。いわゆるトールワゴンの先駆けともいえるクルマで、実用性の高さは英国をはじめとする欧州市場でも高く評価された。超小型MPVとしてよく売れたものの、見た目に対する評判はあまり良くなかったという。

トヨタ・ファンカーゴ(1999年)
トヨタ・ファンカーゴ(1999年)

ルノー・トゥイージー(2009年)

当時のコメント「これもまたEV(電気自動車)だが、やはり発電機を搭載したほうがいいという結論に達した。しかし、トゥイージーには愛すべき個性がある」

とても可愛らしいクルマで、それまでのルノー車とはまったく違う。しかし、雨や寒さにはめっぽう弱い。ドア(オプション設定)をつけないと、乗員は風雨に容赦なくさらされる。満充電してもそれほど走らないのは、かえって良いことなのかもしれない。走る日を間違えなければ、素晴らしいクルマ。だから、ライバルがいないのだ。

ルノー・トゥイージー(2009年)
ルノー・トゥイージー(2009年)

フォルクスワーゲン・フェートン(2003年)

当時のコメント「フォルクスワーゲン・フェートンを定義する言葉があるとすれば、それは『なぜ?』だ」

フェルディナンド・ピエヒの愚行とも言えるフェートンの発売は、フォルクスワーゲンの上級幹部や中国の富裕層にしか意味がなかった。クルマそのものの出来はさておき、高級志向の大型セダンは、フォルクスワーゲンというブランドに果たしてふさわしいのか?

フォルクスワーゲン・フェートン(2003年)
フォルクスワーゲン・フェートン(2003年)

ピエヒの意欲は賞賛に値するもので、同じように高級志向を打ち出したトゥアレグは大成功を収めた。しかし、フォルクスワーゲンのフラッグシップとされたフェートンは、スーパーマーケットで宝石を売るようなものではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・ブレンナー

    Richard Bremner

    英国編集部
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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