こんなクルマが出るなんて! 意外すぎた市販車 23選 名車と迷車のオンパレード
公開 : 2022.11.19 18:05
クライスラー・デルタ(2011年)
当時のコメント「普通とは少し違うが、お勧めするにはあまりに気がかりが多い」
デルタという車名は1990年代にランチアで使われていたもので、ラリー界に多大な影響を残した伝説的なクルマである。2010年代に登場した3代目デルタだが、初代のスポーツ性はどこへやら。英国など一部の市場では、ランチアではなくクライスラーブランドから販売されたこともあり、全く普及しなかった。
フィアット・ムルティプラ(1998年)
当時のコメント「ムルティプラのようなクルマをもっと世に出すべきだ。家族の移動手段としては、天才的な作品である」
奇妙奇天烈なフィアット・ムルティプラは、6人乗りの樽型ボディに、ゴミ箱や棚、ドリンクホルダーを詰め込んだ、利便性と独創性の塊であった。「すべてのものに美しさがある。だが、誰もがそれを見ているわけではない」という、孔子の言葉を引用した広告もあった。言い得て妙である。
BMW X5(2000年)
当時のコメント「クロスオーバーのコンセプトを極限まで追求したモデル」
BMWには先見の明があった。スポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)という未確立の分野に賭けただけでなく、勇敢にも、本当にスポーティなクルマを作ろうとしたのだ。見た目は少々野暮ったいものの、その走行性能、ハンドリング、そして悪路走破性は見事なものだった。X5は、現在ではBMWの主力モデルとなっている。
メルセデス・ベンツ・バネオ(2002年)
当時のコメント「その多用途性は、子供たちだけでなく、動き回る忙しい人たちにも魅力的に映るはずだ」
この超実用的なクルマは、メルセデス・ベンツの商用車部門による予想外の作品である。決してセクシーとは言えない車体に、「バネオ(Vaneo)」という、これまた質素な車名を刻んだ。残念ながら、超高級車のマイバッハ57と同じくらいしか売れなかった。
プジョー1007(2005年)
当時のコメント「1007はコンパクトなボディと、上質なインテリアを両方備えている」
4人乗りの小型MPVだが、ドアはたったの2枚(しかも両側スライド)という変わった出で立ちのプジョー1007。狭い場所でも駐車しやすいようにショート&トールサイズにまとめられ、明るいボディカラーを揃えていた。
改めて考えてみると、BMWミニやフィアット500よりも合理的で実用的である。しかし、刺激のないデザイン、鈍重なドア、ジジくさいオーラ(失礼)、そしてこの2台の活躍によって、1007の魅力は見失われたのである。