世界に誇るべき英国車 モーガン・スーパー3 英編集部選の5台 前編

公開 : 2022.11.26 09:45

変化の激しい時代でも、英国は魅力的なモデルを数多く生産しています。英編集部が選ぶそのトップ5をご紹介します。

素晴らしいクルマを今も作り続ける英国

確かに、今という時代はとても厳しい。英国の自動車産業は、様々な理由で特に状況は芳しくない。

それでも、日本と同様に自動車は英国でも基幹産業に当たる。外貨を獲得し、雇用を生み出し、国の財政へ大きく貢献している。AUTOCARを読んでいるようなクルマ好きも、そんな産業の一部をなしているといえる。

手前からシルバーのモーガン・スーパー3、グリーンのアストン マーティンDBS スーパーレッジェーラ、オレンジのランドローバー・ディスカバリー・スポーツ P300e
手前からシルバーのモーガン・スーパー3、グリーンのアストン マーティンDBS スーパーレッジェーラ、オレンジのランドローバー・ディスカバリー・スポーツ P300e

いくつかのブランドが過去に姿を消してきたが、英国は素晴らしいクルマを今も作り続けている。その証拠? 今回われわれがご紹介する5台は、胸を張ってドライビング体験の楽しさを主張できる、優れた国産車だ。

英国編集部では、その楽しさを再確認するため、いつものブレコンビーコンズ国立公園のワインディングを積極的に走らせてみた。グレートブリテン島の南西部に位置するこの場所には、アップダウンの激しいカーブが無数に存在している。

これまで、数多くのドライバーズカーを評価してきた舞台でもある。少し走れば近代的な高速道路へ出られるから、クルージング時の味わいも確かめられる。

過去の多くのクルマがそうだったように、完成度の高いモデルはこの場所で輝く。技術者が丁寧に仕上げたシャシーは、進路や速度の変化が激しいルートでその真価を発揮する。

コーナーの途中には、予期せぬ路面の隆起やうねりが待っている。スプリングとダンパーの設定が優れていれば、他のモデルが手を焼くような状況にも巧みに対応できる。真の能力が、つまびらかになる。

アストン マーティンDBSからキャシュカイまで

われわれが選び出した5台は、完璧に包括できたものではないかもしれない。あのモデルがない、とお感じの方もいらっしゃるだろう。

だが、V12エンジンを搭載したグランドツアラー、アストン マーティンDBSから、内燃エンジンは発電に徹し、駆動用モーターで走行する日産キャシュカイ e-パワーまで幅は広い。この日産車も、グレートブリテン島の工場で生産されるれっきとした英国車だ。

手前からシルバーのモーガン・スーパー3、ブラックのミニ3ドア・クーパー、グリーンのアストン マーティンDBS スーパーレッジェーラ、オレンジのランドローバー・ディスカバリー・スポーツ P300e、グレーの日産キャシュカイ(旧デュアリス) e-パワー
手前からシルバーのモーガン・スーパー3、ブラックのミニ3ドア・クーパー、グリーンのアストン マーティンDBS スーパーレッジェーラ、オレンジのランドローバー・ディスカバリー・スポーツ P300e、グレーの日産キャシュカイ(旧デュアリス) e-パワー

ランドローバーからは、ハンサムな最新ディスカバリー・スポーツのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)を指名した。人気の衰えない3ドアのミニ・クーパーも忘れられない。

そして、伝統のモーガンが2022年の世に問う3輪車、スーパー3も英国編集部としてはオシの1台となる。

5名の編集部員がそれぞれじっくり走り込んで、運転の楽しさを確かめた。2022年の英国の自動車産業は、やはり魅力に溢れている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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