上級スポーツサルーンの最有力 ジャガーXE 英国版中古車ガイド 甘美な操縦性が強み
公開 : 2022.11.29 08:25
2019年のフェイスリフトで質感向上
フロントシート側の空間は、さほどゆとりを感じるわけではない。シートポジションは若干高めで、優雅にカーブを描くルーフラインの影響もあって、身長の高いドライバーには少し上下方向が狭く感じられるかもしれない。
リアシート側は、Dセグメント・サルーンの基準でいうと狭め。英国人のような体型の場合、足元や頭上に残る空間は限定的だろう。荷室は実用的なサイズながら、BMW 3シリーズやアウディA4の方が容量は大きい。
2019年にXEは大幅なフェイスリフトを受け、スタイリングやインテリアがアップデート。新しいタッチモニターがダッシュボードに埋め込まれ、内装の素材はさらに上質なものへ改められた。
エンジンは選択肢がスリム化。ディーゼルターボは180psを発揮するD180という1本に。ガソリンターボは、英国の場合は250psのP250と300psのP300という、4気筒の2種類になった。駆動方式は、すべてで四輪駆動も選べるようになっている。
2020年には203psの2.0Lマイルドハイブリッド・ディーゼルターボ、D200が登場し、D180は現役を退いた。トリムグレードは、Rダイナミック SとSE、HSE、ブラックへ見直されてもいる。
トリムグレードとスペック
英国編集部がオススメするトリムグレードは、プレステージ。基本的にXEの装備は充実しているものの、中古車で狙うような初期のXEの場合は、エントリーグレードだったSEより高級感があって好ましい。ジャガーに良く似合う。
知っておくべきこと
ジャガーXEの燃費は、P250で12.1km/L、P300では10.7km/Lほど。D200は20.5km/L前後まで伸びる。
信頼性は、AUTOCARの姉妹サイトの調査によると、ガソリンターボのXEで26台中の8位と良好。ディーゼルターボは、24位にランク付けされている。購入する自信を高めてくれるものではないかもしれない。
英国の中古車市場を俯瞰してみると、初期のXEの場合は、走行距離の長い例で7000ポンド(約116万円)前後から流通している。2016年式では1万2000ポンド(約199万円)前後。2018年式では1万6000ポンド(約265万円)前後が堅実な価格帯だろう。
購入時に気をつけたいポイント
リコール
XEには幾つかのリコールが出ている。生産開始から2018年式までのモデルでは、CO2排出量の制御に関する不具合が認められており、ソフトウエアのアップデート対応が必要になる。
また2016年から2017年式のXEでは、技術的な理由でメーターパネルの表示が断続的に消える恐れがある。これも、ソフトウエア側で修正が可能だ。
燃料系にもリコールが掛かっている。2016年から2017年式のXEに対して、燃料リターンホースから燃料漏れの可能性が報告されている。2016年9月から2017年8月までに生産されたXEでは、エンジン側の燃料パイプレールにも対処が求められている。
衝突時にシートベルトのプリテンショナーが正しく動作しない、という不具合も確認されている。2016年2月から12月と、2015年9月から2016年3月までに製造されたXEがリコールの対象。後者の期間の場合は、運転席側のみが対象になる。
他にも、ディーゼルターボにも燃料系統に関係するリコールが出ている。多くが現在までに対応済みだと思われるが、購入時は予め状態を確認したい。