注目の新型車が勢ぞろい! 米ロサンゼルス・オートショー まとめ

公開 : 2022.11.21 18:05

米国で11月18日、ロサンゼルス・オートショーが開幕しました。トヨタ・プリウスや6代目インプレッサ、911ダカールなど注目度の高い新型車の発表が相次ぎました。見どころを紹介します。

盛り上がりを見せたロサンゼルス

11月18日に開幕したロサンゼルス・オートショー(LAショー)は、まるで古き良き時代のモーターショーのような雰囲気を感じることがあった。例えば、今回のショーで最大の呼び物である新型ポルシェ911ダカールに近寄って、きれいな写真を撮ろうとしているときだ。

ポルシェのブースは一日中賑わっており、観衆はオフロード志向の911という「意外」な新型車に見とれていた。長い歴史を持つ911は、あらゆるニッチな分野に足を踏み入れてきたものと思っていたが、そうではなかったようだ。ありそうでなかった911ダカール、大歓迎だ。ありがとう、ポルシェ。

モーターショーの規模は縮小傾向にあるが、依然として話題には事欠かない一大イベントである。
モーターショーの規模は縮小傾向にあるが、依然として話題には事欠かない一大イベントである。

最近のモーターショーの傾向からすると、以前よりも小規模になっているのは間違いないし、業界のVIPもほとんど登壇しなかったけれど、新型車の出展台数は先日のパリ・モーターショーよりも多かった。

ロサンゼルスに足を運んだVIPの1人、フォルクスワーゲン幹部のトーマス・シェーファーを見つけたので、話を聞いてみる。モーターショーの将来について尋ねると、彼は、世間はモーターショーから離れつつあるという一般的な意見に同意し、次のように述べた。

「かつてのように、どの都市でも次々とモーターショーが開催されるようなことは、明らかにありません。中心的なものはまだ変わらないかもしれませんが、ミュンヘンのように(市の中心部で開催される)屋外ショーに移行しつつありますし、わたしもそちらの方が好きです」

「(英国の)グッドウッド・ヒルクライムも好きだし、こういうのもいい。面白いですね。今、ラスベガスで開催されるCESが注目されています。場所や形式も変わってきている。正直なところ、もう昔のようには戻れないと思います」

それなら、今のうちに楽しんでおくのが一番だ。911に次いで、ジェネシスのXコンバーチブル・コンセプトが公開された。ジェネシスというブランドはまだ発展段階にあり、常に話題作りが欠かせないが、このコンセプトは見事に観衆の耳目を集めた。美しいプロポーションを持ち、市販車には遠い空想的なものだが、ブランドとしての自信と「魅せる」能力が急速に高まっていることはひしひしと伝わってくる。

ハマーEVのインパクトも大きい。正直なところ、馬鹿げた創造物であり、ハマーブランドは休眠させておいた方が最善であったかもしれない。興味をそそられるのは、ハイペリオンX1という水素スーパーカーで、現時点ではコンセプト/プロトタイプに過ぎないが、そのデザインは、わたし達が普段目にするゼロ・エミッション車の均質化された形状とは一線を画している。彼らの成功を祈るばかりだ。

AUTOCAR英国編集部は、すでに新型ヒョンデ・アイオニック6のハンドルを握り、その出来栄えに感銘を受けたが、LAでも会場を賑わせていた。ヒョンデにとっては、いい滑り出しと言えるはずだ。

トヨタの新型プリウスは、本当に魅力的なモデルに激変しており、導入計画のない一部の地域(英国など)が不憫に感じられるほどである。以前は、いくら技術が優れていても魅力的ではなかったから、あまり売れなかったのだろうか?

トヨタのブースでは、「bZコンパクトSUVコンセプト(bZ Compact SUV Concept)」という、現場のトヨタスタッフでも知らないような謎のクルマが展示されていた。CH-Rに近いサイズのEVで、詳細は2023年以降に発表されるという。

ゼネラルモーターズ、クライスラーフォードのいわゆる「ビッグスリー」からは、目新しい発表は何もなかった。しかし、1967年の初代フォード・マスタングをベースに、EVにレストモッドしたチャージ・カーズ67が公開。英国の新興企業が35万ポンド(約5800万円)で販売する、レトロな電動スポーツカーである。

そのほか、ベトナムの自動車メーカーであるビンファスト(Vinfast)の新型SUV「VF8」と「VF9」、全面刷新したレクサスRX、6代目に生まれ変わったスバルインプレッサなど、注目すべき出展がいくつもあった。

以前の賑わいは影をひそめたが、話題には事欠かないショーであった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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