日本国内で「1億円超」の衝撃 日産スカイラインGT-R(R33)伝説の「ニスモ400R」 出品者も想定外?
公開 : 2022.11.24 11:40 更新 : 2022.12.01 17:18
日産スカイラインGT-R(R33)のニスモコンプリートカーが国内で1億円超で取引されました。希少車「ニスモ400R」の動向を取材しました。
桁が足りず流札 1億円超は想定外?
11月17日木曜日、日本国内の自動車オークションにスカイラインR33 GT-Rをベースにした改造車「ニスモ400R」が出品された。
ニスモ400Rは日産自動車のチューニング部門である「ニスモ」が手掛けた非常にレアな限定コンプリートカーである。
ベース車の日産スカイラインGT-R Vスペックが当時529.0万円で発売されていたのに対して400Rは何と1200万円。新車時の価格からしてすでにベース車両の2倍以上という設定だった。
スタート価格は5200万円とこれまたかなりの高額ではあるが、オークションを開始時点から見ていた知人の中古車業者によると、「9300万円位までずっと見ていましたが、その後、席を離れて戻ってきたら9999.5万円の表示があり、『自動流札』で終わっていました。オークション事業者もまさか1億円を超えるとは想定していなかったのでしょう」
「とてもめずらしいことですが『桁(ケタ)』が足らなくてそこで止まって自動的に流札となったと考えられます。ですが、その後見たら『商談落札』になっていたので、多分競り合っていたビッダー(入札者)に(出品者が)直接交渉したんでしょう」
ということで、いくらで落札されたのかは明らかにされていない(もちろん1億円超は確実)が商談は無事成立したようである。
それにしても、オークション価格の表示においてケタが足らないなどということがあるのだろうか?
前述の知人業者が続ける。
「過去にトヨタ2000GTを競った時は最初から1桁繰り上げて(1億円超えになっても対応できるように)競っていましたね。だから、億の単位でも競り合うことができたんですが、今回は予想外だったんでしょうね」
出品された400Rはどんな状態だった?
このたび億超えで落札に至った400Rはどのような状態だったのだろうか?
評価点は「4.5」と非常に高い。簡単に概要を記しておきたい。
初度登録:1996(平成8)年7月
型式:E-BCNR33改
グレード:ニスモ400R 4WD
走行距離:1万5676km
ボディカラー:白
評価点:4.5(内装B)
ユーザーからの直接買い取りであると明記されている。初度登録から24年以上が経過しているが、走行距離1万5676kmとは奇跡的な少なさだ。
内装に少し擦り傷などはあるものの、長年、屋内保管で大切に扱われてきたのだろう。外装は非常にきれいだ。
ところでなぜ、このクルマが1億円を超える価格で落札されることになったのか?
2021年7月に走行10kmの未登録R34スカイラインGT‐Rがヤフーオークションに出品され、こちらも今回と同様5000万円台からのスタートだった。
結果は6050万円でオークションは終了。アメリカの「25年ルール」(製造から25年経てばアメリカの保安基準であるFMVSSの規制を受けずに並行輸入車が輸入できるようになる制度)解禁を前に異常なまでの高騰を続けるR34の未登録車とあって、「もしかして億超え?」などの予想もあったのだが……。また、競り合う人の数も当初の予想よりは少なかった。
それに対して今回のニスモ400Rは、ベースがR33スカイラインである。
日本ではR32に比べると人気はいまひとつ。というのも、R32に比べてボディがやや大きくなりホイールベースも長くなったことで、扱いにくい、機敏さに欠けるなどの評価を得ているからだ。
ニスモ400Rも発表当初は「99台限定」としていたが、実際に生産・販売された台数は50台以下(44台説もあり)という情報もある。
1200万円という新車価格もニスモチューンとはいえ1996年当時の国産スポーツカーとしてはなかなか手が出せない高価格であったのかもしれない。