デ・トマソ 新型ハイパーカー「P900」発表 合成燃料でカーボンニュートラル実現

公開 : 2022.11.29 18:45

デ・トマソは、合成燃料を使用する6.2L V12エンジンを搭載した新型ハイパーカー「P900」を公開しました。車重900kgで900馬力を発生させる軽量マシンで、18台のみの限定生産となります。

世界初のカーボンニュートラルなV12

イタリアの自動車メーカー、デ・トマソは、サーキット専用の新型ハイパーカー「P900」を公開した。1万2300rpmまで回転する特注のV12エンジンを搭載し、18台のみの限定生産となる。価格は248万ポンド(約4億1000万円)から。

新型デ・トマソP900は、軽量なカーボンチューブによりわずか900kgという車重を実現しながら、6.2L V12エンジンから最高出力900psを発生させる。このV12は、合成燃料(eフューエル)のみを使用できる新設計のユニットであり、デ・トマソは、「世界初のカーボンニュートラルなV12」と語る。

デ・トマソP900
デ・トマソP900    デ・トマソ

また、220kgという史上最軽量かつ最短のV12とされ、デ・トマソは自動車業界に新たな「基準を設ける」としている。同社のノーマン・チョイCEOは、次のように述べている。

「情熱的な自動車愛好家として、EVが牽引する静かな未来は受け入れ難いものです。わたし達は、代替手段が存在すると信じています。合成燃料で駆動する新しいプラットフォームの開発は、内燃機関に対するこの情熱を維持するためのソリューションです」

「この合成燃料への挑戦は、わたし達が大切にしているエンジンの魂とシンフォニーを犠牲にすることなく、ゼロ・エミッション・モビリティの未来を追求するデ・トマソの決意を表しています」

そんなP900のデザインは、キャロル・シェルビー設計のP70へのオマージュとして開発されたP72をベースとしている。リアウイングに組み込まれたアクティブDRSシステムなど、一部のテクノロジーはモータースポーツから派生したものだ。

開発には、耐久レーサーのポルシェ919ハイブリッドEvoを手掛け、F1経験も豊富なカプリコーンも加わった。

P900は18台の限定生産だが、デ・トマソはまだ購入枠が残っており、購入者にのみ性能数値を公開すると述べている。

来年春に開催される自動車イベントでデビューする予定だが、エンジンの開発は2024年まで続けられるという。もし、顧客が早めの納車を希望した場合は、代わりにF1由来のV10エンジンを搭載して引き渡されるという。

購入者はデ・トマソからレース指導を受けることができ、サーキット走行会ではメカニックとエンジニアチームによるマシンセットアップも提供される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事