HVハッチバック乗り比べ ホンダ・シビック トヨタ・カローラ 半世紀の進化の現在地 前編
公開 : 2022.12.10 09:45 更新 : 2024.07.23 11:02
約50年の進化を重ねてきたシビックとカローラ。2台のCセグメント・ハッチバックの特徴を、英国編集部が確認しました。
半世紀の進化を重ねたハッチバック
生物の進化では、ある類似した特長へ収束する傾向があるそうだ。異なる地域で暮らす異なる系統の生物であっても、生態的に近い地位にある場合は、互いに体型や特性が似ていくのだとか。モグラとケラが似ていることも、それが理由だという。
そんなことが、日本メーカーのCセグメント・ハッチバックでも起きている。ホンダ・シビックとトヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)は、約半世紀に渡って世界中で愛されてきたファミリーカーだ。
これまで進化を重ね続け、最新版が今でもわれわれの身近な場所にある。シビックの誕生は1972年。カローラは1966年と、6年ほど先輩ではあるが。
この2台は、各世代で多様なメカニズムを搭載してきた。カローラは当初後輪駆動だったし、クーペが誕生したこともあった。しかし、現在のパッケージングはかなり似ている。
最新版は前輪駆動の5ドア・ハッチバックで、シリーズ・パラレル方式と呼ばれるハイブリッドを搭載する。ガソリンエンジンに発電と駆動を担う2基の電気モーター、電気式無段変速機(e-CVT)と呼ばれるトランスミッションが組み合わされている。
そんな11代目ホンダ・シビックが英国へ上陸した。トヨタも、カローラへアップデートを施した。この機会に、2台のハッチバックを比較してみよう。
先代と大きく見た目の印象が異なる11代目
ホンダは、先代モデルとのスタイリングのつながりを重視しない。今回も大きくイメージチェンジを図ってきた。
1983年のボクシーなデザインもあったし、2005年の宇宙船のような見た目も特徴的だった。だが、直近の2世代は今ひとつシビックとしての訴求力が薄かったように思う。
11代目はこれまでと印象が大きく異る。スタイリングはシャープで、プロポーションも良い。若干リアの仕上げにぎこちなさはあるものの、全体的にはスポーティで好印象だ。
ボディサイズはCセグメントとしては大きめ。全長は4551mmで、ハッチバックのカローラより181mmも長い。
寸法としてはひと回り小さいカローラだが、市街地での存在感は劣らない。英国での販売が始まってから4年が経過するが、新鮮味は薄れていない。市街地で頻繁に出くわすから見慣れているが、改めて観察するとカッコいい。
トヨタは2023年仕様としてカローラにフェイスリフトを施したが、スタイリングにはさほど手を加えなかった。ライトまわりとバンパーのディティール、アルミホイールなどがリフレッシュされている。
改良の中心はメカニズム。2.0L版ハイブリッドは6ps最高出力を高め、CO2の排出量を3g/km減らし、0-100km/h加速を0.3秒縮めている。1.8L版のハイブリッドも、駆動用モーターなどが大幅に新しくなっている。
アクティブ・セーフティ機能も更新され、大きなインフォテイメント用タッチモニターや、新しいメーター用モニターなども獲得している。シビックとの戦いへ備えるように。