日産 第3世代のフォーミュラEマシン「e-4ORCE 04」公開 電動技術は市販車にも
公開 : 2022.12.02 06:05
日産は、2023年1月に開幕するフォーミュラE選手権シーズン9に投入予定のGen3マシン「e-4ORCE 04」を公開しました。車体には日本の伝統を表現したという「桜」のデザインが施されています。
日本の伝統を表す「桜」のEVレーサー
日産は、フォーミュラEのシーズン9に投入予定の新型車「e-4ORCE 04」を公開した。使用されている電動技術は、今後の市販車にも応用される可能性がある。
第3世代(Gen3)となる新型e-4ORCE 04は、昨シーズンまでのマシン(Gen2)よりも40%パワーが向上し、最高速度は320km/hに達する。赤と白の新しいカラーリングに、日本を象徴する花の1つである「桜」のデザインを取り入れているのが特徴的だ。
日産は、フォーミュラEは同社の電動化戦略において大きな役割を担っているとし、桜のデザインは日本の伝統を表現するものであると述べている。また、日産はこれまでe.damsとしてフォーミュラEに参戦してきたが、シーズン9からは日産単独チームとして参戦する。
日産モータースポーツのディレクターを務めるトマソ・ヴォルペはAUTOCARの取材に対し、e-4ORCE 04には将来の市販車に採用される可能性のある技術が使われていると語った。
「e-4ORCE」という名称は現在、アリアやエクストレイルといった市販車の電動四輪駆動モデルに使われている。
ヴォルペは次のように述べている。
「わたし達は、将来のクルマに移植できる2つの分野を特定しました」
「1つ目はハードウェアのエネルギー効率で、物理的に、最高レベルの効率を達成するためにギアボックスインバーターとモーターをどのように設計・開発するかということです」
「フォーミュラEでは、この数値は公表していませんが、95%以上という信じられないレベルの効率なのです。そのため、ロードカーのハードウェアの効率についても多くの学びがあります」
ヴォルペは2つ目の分野として、エンジンマネジメントを挙げている。
「フォーミュラEでは、(エネルギーを)いかに効率的に使うかでレースの勝敗が決まります。したがって、いかにソフトウェアを洗練させるかも、ロードカーの改善点について多くのことを教えてくれるでしょう」
e-4ORCE 04のステアリングを握るのは、ノーマン・ナトーとサッシャ・フェネストラズからなる新しいドライバーラインナップだ。2022/2023年シーズンは1月に開幕し、初戦はメキシコのオートドロモ・エルマノス・ロドリゲスで開催される。