ホンダ・シビック・タイプR 欧州発売 シャシーと空力を大幅強化 1月より納車開始
公開 : 2022.12.02 06:25
ホンダの欧州部門は、新型シビック・タイプRの販売を開始しました。英国価格は約780万円から。歴代最強のシビックであると同時に、欧州におけるホンダ最後の純エンジン車となる可能性があります。
欧州ホンダ最後の純エンジン車?
新型ホンダ・シビック・タイプRが英国で発売された。価格は4万6995ポンド(約780万円)からで、2023年1月に納車が開始される予定となっている。
高性能スポーツモデルであるシビック・タイプRは、今回のモデルチェンジで6代目となる。11代目の新型シビックをベースに、足回りやエンジン、空力性能を強化している。
パワートレインについては発表前にさまざまな憶測が飛び交ったものの、先代に搭載されていた2.0Lターボエンジンを引き継ぐこととなった。トランスミッションは6速MTを採用。
欧州向けのホンダの主力車は、すべてハイブリッドもしくはEVとなっており、電動化されていないのはシビック・タイプRのみとなる。次期排出ガス規制ユーロ7の導入もあって、ホンダが欧州で発売する最後の純エンジン車となる可能性が高い。
英国仕様は最高出力329ps、最大トルク42.8kg-mで、0-100km/h加速は5.4秒と、歴代で最もパワフルなシビックとなった。最高速度も275km/hに向上している。
ホンダは、ターボチャージャーの改良とコンパクトなハウジングを採用したエンジンは、これまでで最強のVTECターボであり、タイプR史上「最も速く、最も中毒性が高く、かつ安心感と実りのあるドライブを実現する」と述べている。
ハンドリング性能が大きく向上
フロントエンドのレスポンスを向上させるキャンバー剛性は、サスペンションジオメトリーの見直しにより16%向上し、19インチのミシュラン・スポーツ4Sタイヤが路面をつかむ。
また、樹脂製トランクリッドやアルミ製ボンネットの採用により軽量化を図るとともに、ホイールベースを35mm延長し、構造剛性を38%向上させた。
ホンダ欧州部門のテクニカルアドバイザーである山本コウ氏は、「先代タイプRに比べて最大の改善点は、シャシー剛性の向上とハンドリング性能、そしてステアリングとサスペンションのアップデートです」と語る。
ブレーキも「温度制御と空冷の強化」を目指して改良され、前輪後方のダクトがホイールハウス内の空気圧を下げる。
また、ターボレスポンスの高速化を図るため、背圧を改善したエグゾーストシステムを搭載しているが、特徴的な3本マフラーは引き継がれた。アダプティブダンパー、ステアリング、レブマッチ、エンジンレスポンスを個別に調整できる新しいドライブモード「インディビジュアル」も実装される。