ブランド大変革のEV SUV ジープ・アベンジャーへ試乗 欧州に向け新開発 航続408km 前編

公開 : 2022.12.12 08:25  更新 : 2023.02.19 08:43

ジープらしくタフな印象のスタイリング

BEVにも対応したeCMP2プラットフォームは、同じグループに属するプジョーe-2008やオペルモッカ・エレクトリックを生み出している。アベンジャーが誕生することがてきたのも、このプラットフォームが持つ高い汎用性とスケールメリットにある。

車格が小さいモデルほど販売価格は低くなり、メーカーの利益率も低くなる。一般的には開発コストを回収しにくいが、多様なモデル展開でそれをカバーできる。

ジープ・アベンジャー(欧州仕様)
ジープ・アベンジャー(欧州仕様)

スタイリングは、e-2008やモッカ・エレクトリックなどと充分な差別化が図られている。7つに別れたフロントグリル・カバーが、ジープらしさを演出。シャープなボディサイドのライン構成も好印象だ。

フェンダーアーチやボディ底面はブラックの樹脂製カバーが覆い、タフな印象を強めている。無塗装のカバーとすることで、所有期間の維持費を約850ポンド(約14万円)節約できるという。岩へぶつけてバンパーの修理に迫られても、塗装する必要がないためだ。

車内には、フロントシート側だけで34Lの収納スペースが用意されるなど、欧州市場に合わせた気配りも利いている。ジープの資料によれば、580個の卓球ボールをしまうことができるとか。

インテリアで筆者が特に便利そうに感じたのが、ダッシュボードの6割以上の幅を占めるワイドな小物トレイ。メガネや自宅の鍵、スマートフォンなどを置くのに丁度いい。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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