ベントレー・コンチネンタルGTCで挑むオトナの遊び 第2回 ザ・グレート・ブリティッシュ・ラリー

公開 : 2022.12.03 05:45

疲れるラリーではなく、癒しのラリー

われわれのコンチネンタルGTCに最適なラリーはこんな内容だと思う。

1泊2日で都内から下道で東北地方を縦横無尽に駆け巡り、再び都内へ。その間の給油は1回だけ。山岳地帯に軽く雪などあればなおいいかもしれない。

目的地の富士スピードウェイホテルに到着後には優雅なパーティを楽しんだ。
目的地の富士スピードウェイホテルに到着後には優雅なパーティを楽しんだ。    山本佳吾

条件が過酷になれば、快適性能はもちろんだが、クルマとしての骨太な部分が浮き彫りになる。

その気になれば驚愕のパワーを発揮する4L V8ターボエンジンだが、今回驚かされたのは、ドライビング次第でかなり燃費をのばせるという事実だった。

だが現実のGBラリーは短く、内容がギュッと凝縮されている。

富士スピードウェイ内でランチ、PC競技、ショートコースを使ったタイムトライアルを矢継ぎ早にこなしたあとは、完成したばかりの富士スピードウェイホテル(ハイアットだ!)にチェックイン。

ここで「ブラックタイ&ドレス」のドレスコードに従い、優雅なパーティをたのしんだのである。

愛機はベントレーなので、過酷なラリーも厭わない。だが一方で、優雅にシャンパンを飲みかわし、英国サンデーローストのような食事に舌鼓を打つような嗜みもブランドの世界観としては正しいはず。

疲れるラリーではなく、癒しのラリー万歳である。

ベントレーの奥深さに酔いしれて

2日目のコースは前日よりもさらにシンプルだった。

遅めの朝に富士フジスピードウェイをスタートし、箱根でランチ。しかるのち大磯でフィニッシュ。そこから横浜みなとみらいまで移動して表彰パーティに臨む。

筆者は全参加車の中で最後のフィニッシュとなったが、ベントレーの奥深さを満喫したイベントであった。
筆者は全参加車の中で最後のフィニッシュとなったが、ベントレーの奥深さを満喫したイベントであった。    山本佳吾

これほど単純なコースでありながらわれわれはミスコースして、全参加車の中で最後にフィニッシュしたことは決してクルマのせいではない。ラリーはナビがすべてなのだから。

この日は土曜日だったので、箱根から大磯、横浜はなかなか混んでいた。

もちろんそんな交通状況も、ベントレーのクルーにストレスを与えることはできない。そしてこの頃には、筆者はコンチネンタルGTC V8の安楽で奥深いドライビングの「幅」にすっかり酔いしれていた。

シフトレバー後方のダイヤルで操るドライビングモードには「ベントレー・モード」なる推奨設定があるのだが、それがコンチネンタルのテイストをものの見事に表現していることに気づかされたのである。

この日も、朝昼、そして表彰パーティの食事が素晴らしかった。

GBラリーとはつまり、英国的な食を探訪する旅だったと言っても過言ではない。

ベントレーとラリーの主催者、そして英国車を愛する仲間たちに乾杯。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。

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