フィアット・プント・ツインエア
公開 : 2012.06.27 18:45 更新 : 2017.05.29 18:52
■どんなクルマ?
フィアットはプントに穏やかなマイナーチェンジを施し、2台の新しいエンジンをそのラインナップに加えた。ひとつは83bhpの1.3リッター・マルチジェット・エンジンで、90g/kmのCO2排出量を持つ。そしてもうひとつが、0.9リッターのターボチャージド・ツインエア・ガソリン・エンジンだ。このツインエア・エンジンは、83bhp/5500rpmのピーク・パワーと、14.8kg-m/2000rpmのピーク・トルクを持つ。しかもその燃費とCO2排出量はディーゼルに十分対抗できる23.8km/lと98g/kmという値を持つ。これらの数字は、フィアット500や新しいパンダと同等だ。
しかし、Bセグメント・モデルに搭載されるのにあわせてクオリティ・アップが計られている。ギアボックスが5速マニュアルから6速マニュアルになり、デュアルマス・フライホイールとバランシング・カウンターシャフトが付けられたのだ。
■どんな感じ?
プントは決して重いスーパーミニではない。1,075kgのボディに83bhpのパワーは十分な値で、特に高いギアでのフレキシビリティは賞賛に値する。とはいうものの、この2気筒エンジンは、活発にガンガン回して乗りたいという類のエンジンだ。
各ギアでリミットいっぱいまで回すのは簡単なことだ。しかし、小さなフィアット500では元気なエンジンも、フィアット500よりも重いプントに搭載されると、水の中でパンチを出しているように、ダイレクトな感覚は薄れてしまう。残念ながら、ギアシフトは燃費を重視したパターンにしたほうが良いかもしれない。
更に、その振動はメカニカルな改造によって少なくはなっているものの、そのサウンドは床の下にあるチェーンソーのような音を奏でる。
30分の試乗では16km/l代の燃費しかマークすることはできなかった。これはわれわれがエコ・ボタンを繰り返し押す聖人のような忍耐力が足りなかったせいで、決して恥ずべき数値ではない。しかし、総合すると驚くような燃費を導き出してくれるわけでもなかった。
■「買い」か?
ディーゼルに対しての価格アレルギーがあるのであれば、ツインエアは訴えるのかもしれない。しかし、この基本設計の旧いプントにこのエンジンは、パワー不足の感をいなめないのも事実だ。
(ニック・カケット)
フィアット・プント・ツインエア
価格 | 12,100ポンド(150万円) |
最高速度 | 172km/h |
0-100km/h加速 | 12.7秒 |
燃費 | 23.8km/l |
Co2排出量 | 98g/km |
乾燥重量 | 1075kg |
エンジン | 2気筒875ccターボ |
最高出力 | 83bhp/5500rpm |
最大トルク | 14.8kg-m/2000rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |