才色兼備の2シーター ジャガーFタイプ 英国版中古車ガイド SVRはXJ220級の最高速

公開 : 2022.12.17 08:25

印象的なパフォーマンスにドラマチックなサウンド、魅惑的なスタイリング。才色兼備の2シーターを英国編集部がご紹介します。

初期型でも素晴らしい容姿は変わらない

イイ感じでモデルライフを重ねてきた、ジャガーFタイプ。これまでに数回のフェイスリフトが施されているが、初期のFタイプであっても、素晴らしい容姿であることに変わりはない。

Fタイプが発売されたのは2013年。最初はコンバーチブルのみの設定だったが、2014年にクーペが追加されている。ゴルフクラブを2セット詰める大きな荷室を備え、優れた実用性を叶えていた。

ジャガーFタイプ(2014〜2020年/フェイスリフト前/英国仕様)
ジャガーFタイプ(2014〜2020年/フェイスリフト前/英国仕様)

曲面を描く美しいボンネット内には、多彩なエンジンが搭載されてきた。動力性能は、どれを選んでも不満はないだろう。英国仕様では、エントリーグレードに積まれていた2.0L 4気筒ターボガソリンでも300psを発揮し、249km/hの最高速度を出せた。

スーパーチャージャーで過給される3.0L V6エンジンは、最高出力が339ps。0-100km/h加速を5.1秒でこなす、鮮烈なダッシュを披露する。英国ではMTも設定されていたが、シフトフィールはあまり冴えないため、ATを選んだ方が良いかもしれない。

V6エンジンの「S」では、最高出力が380psへ上昇。0-100km/h加速を4.8秒へ縮めている。引き締められつつ滑らかな、アダプティブダンパーも装備されていた。

これでも不満なら、549psを発揮する5.0LのスーパーチャージドV8エンジンを搭載した「R」も選べた。こちらは4.0秒で100km/hまで加速でき、スーパーカーにも引けを取らない。

XJ220以来の時速200マイル超えのジャガー

Fタイプ Rでは特別な動力性能を受け止めるべく、先進的な電子制御システムとより硬いサスペンション、カーボンセラミック・ブレーキなどが与えられていた。トラディショナルなFRレイアウトだから、これらの装備は不可欠ともいえたが。

2015年から、V8エンジンのFタイプは四輪駆動が標準になっている。Fタイプ Sでもオプション設定されているが、当然の判断といえそうだ。

ジャガーFタイプ(2014〜2020年/フェイスリフト前/英国仕様)
ジャガーFタイプ(2014〜2020年/フェイスリフト前/英国仕様)

一層ドラマチックなサウンドとパフォーマンスを求めるドライバーのために、2016年にはFタイプ SVRが登場。V8エンジンの最高出力は575psに引き上げられ、スーパーカーのXJ220以来となる、時速200マイル(321km/h)超えのジャガーとなった。

Fタイプの車重は競合モデルよりかさみ、路上でその質量を感じないわけではない。だが正確性の高いステアリングに秀でたグリップ力を備え、果敢にコーナーを駆け抜けていく。ハイパワーでFRのFタイプの場合は、濡れた路面でワイルドさを露呈するけれど。

乗り心地はスポーツカーとして引き締められているものの、我慢を強いるほどではない。V6とV8エンジンのFタイプにはアダプティブダンパーが装備され、路面の凹凸を巧みに処理してくれる。

車内空間は、高身長の大人2名が快適に過ごせるゆとりがある。低い位置に据えられたスポーツシートと調整域の広いステアリングホイールによって、完璧なドライビングポジションに設定できる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ピアソン

    Mark Pearson

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事