才色兼備の2シーター ジャガーFタイプ 英国版中古車ガイド SVRはXJ220級の最高速

公開 : 2022.12.17 08:25

2020年に大きめのフェイスリフト

モデルの新鮮味を保つため、2017年に小改良を実施。2020年には大きめのフェイスリフトが施された。スタイリングに手が入り、車載技術はアップデートされ、エンジンのラインナップが見直されている。

2.0L 4気筒エンジンはP300へグレード名が変更。5.0L V8エンジンは最高出力が450psへ調整され、P450を名乗っている。Fタイプ Rにも、P575が振られている。

ジャガーFタイプ(2020年〜/フェイスリフト後/欧州仕様)
ジャガーFタイプ(2020年〜/フェイスリフト後/欧州仕様)

現在の英国の中古車市場を俯瞰してみると、2万5000ポンド(約415万円)程度で2014年式のV6エンジン版が流通している。Sと直4エンジン版は、2万6000ポンド(約431万円)前後から探せる。

2018年式から2019年式の状態の良さそうなFタイプは、2万8000ポンド(約464万円)程へ上昇する。Fタイプ Rは最低でも3万3000ポンド(約547万円)、SVRは5万5000ポンド(約913万円)ほど準備しなければ、英国では入手が難しいようだ。

知っておくべきこと

2017年にFタイプはフェイスリフトを受け、インフォテイメント・システムのタッチプロを獲得。Sに代わってRダイナミック・グレードが投入され、400スポーツも追加されている。

2018年にはトルクベクタリング機能を実装。ダッシュボード上のモニターが拡大されている。2020年に大きくマイナーチェンジを実施。横に長いヘッドライトの形状が、わかりやすい違いといえる。そんな後期型も、2023年に生産が終了する予定にある。

ジャガーFタイプ(2020年〜/フェイスリフト後/欧州仕様)
ジャガーFタイプ(2020年〜/フェイスリフト後/欧州仕様)

購入時に気をつけたいポイント

インフォテイメント・システム

初期のインフォテイメント・システムは、あまり優れモノとはいえなかった。近年触れると、反応が遅く操作は直感性に欠け、時代遅れに感じられてしまう。2017年以降のシステムはアップデートされているが、それでもベストとはいえないだろう。

バックカメラ

ドライビングポジションが低いため、クルマ四隅の位置を把握しにくい。パーキングセンサーだけでなく、バックカメラも備わるFタイプを探した方が賢明だ。

ディファレンシャル

ジャガーFタイプ(2014〜2020年/フェイスリフト前/英国仕様)
ジャガーFタイプ(2014〜2020年/フェイスリフト前/英国仕様)

一部のオーナーによると、シール部分からディファレンシャル・フルードが漏れてくる可能性があるという。これを修理する場合は、カップリングの締結トルクにも気をつけたい。正しくないとディファレンシャルが駄目になってしまう。

アクティブ・エグゾースト

アクティブ・エグゾースト内のバルブが閉まらなくなる場合があるようだ。アッセンブリー交換が必要になる。

インテリア

ダッシュボード中央で立ち上がるエアコンの送風口や、飛び出すドアハンドルが動かなくなることがある。事前に確かめたい。内装のきしみ音がないかどうかも、試乗でチェックしたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ピアソン

    Mark Pearson

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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