中身はゴリゴリのオフロード車 スコットランド生まれのEV、マンローMk1 初公開

公開 : 2022.12.07 06:05

スコットランドの新興EVメーカーであるマンローは、新型の電動SUV「マンローMk1」を公開しました。電気モーターを積むEVですが、ラダーフレームやライブアクスル、センターデフなど設計はオフロード車そのものです。

無骨なスコットランド産EV

スコットランドの新興EVメーカーであるマンロー(Munro)は、新型の電動SUV「マンローMk1」を公開した。2023年に発売予定で、価格は5万9995ポンド(約1000万円)から。

マンローMk1は、標高3000フィート(914m)以上のスコットランドの山に与えられる名誉ある称号にちなんで名付けられた。マンローは年間2500台の生産能力を持つ自動車工場の開設を計画している。

エジンバラで公開されたマンローMk1
エジンバラで公開されたマンローMk1    AUTOCAR

スコットランドでは1981年2月のプジョータルボ工場の閉鎖以来、まとまった数の自動車を生産していない。マンローの事業により、およそ40年ぶりに国内の自動車産業が稼働することになる。

パワートレインは新世代の電気モーターだが、基本設計は往年のオフロード車そのものである。ラダーフレーム・シャシーにライブアクスル、フルタイム4WD、センターデフを採用。1基の軸流モーターから2速トランスファーボックスを介して各車輪に機械的に動力を伝え、ローレシオを実現している。

そのため、現在開発中のメルセデス・ベンツEQGのように、個々のホイールモーターに2速トランスミッションを内蔵したEVとは、正反対のアプローチをとっているのだ。

英国では、最高出力300psと380psのモデルが用意される。バッテリーは61kWhと81kWhの2種類があり、シャシーレールに1つ、シャシーレールとシルの間に2つ、合計3つのパックに分けて搭載する予定。

マンローは、最もエコノミーな仕様で、WLTPサイクルの航続距離300kmを目標としている。7kWと22kWのAC充電に加え、DC急速充電にも対応する予定だ。

380psのモデルでは、0-100km/h加速は4.9秒と謳われている。最高速度は130km/hに制限される。

キャビンはまるで軍用車

ホイールベースは3300mmと大型だが、オーバーハングが非常にコンパクトなため、全長は4590mmに抑えられている。これはランドローバーディフェンダー110より170mmも短い。

480mmというグランドクリアランスは、エアサスペンション搭載のライバル車をはるかに凌ぐものだ。さらに、アプローチアングル84度、デパーチャーアングル51度、ランプオーバーアングル31.6度、最大水深800mmと、その性能は折り紙付き。

エジンバラで公開されたマンローMk1
エジンバラで公開されたマンローMk1    AUTOCAR

車重は約2500kgとされており、クラスの基準からすると比較的軽量と言える。

最大積載量1000kgで、英国の税制上、商用車とみなされる。また、荷台にはユーロパレットを収納できるほか、最大3500kgのブレーキ付きトレーラーを牽引することが可能だ。

キャビンは頑丈な構造で、スイッチ類は手袋をしたまま操作できるように設計されている。また、電子レンジやケトルなどの電化製品に使用できる240Vのソケットを2つ装備している。

無骨なダッシュボードに配置されたセンターディスプレイは、アンドロイド・オートとアップル・カープレイに対応した2DINタイプで、UHF帯無線機などへの交換も可能だという。

マンローは、建設業や鉱業、農業に携わる法人をMk1の主要顧客と想定しているが、レジャー用途として個人向けにも販売できると考えている。また、英国だけでなく北米市場への進出も計画中だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マイク・ダフ

    Mike Duff

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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