万能ハッチをお手頃に フォルクスワーゲン・ゴルフ Mk7 英国版中古車ガイド DSGにご注意

公開 : 2022.12.22 08:25

大きなマイナーチェンジが2017年に

7代目ゴルフは、2017年に大きなマイナーチェンジを受けた。スタイリングへ手が加えられ、エンジンの熱効率が向上している。トリムグレードは見直され、インフォテインメント・システムもアップグレードされた。

この後期型は、ゴルフ・ファンの間ではMk7.5、7.5代目と呼ばれることがある。もし予算に余裕があるなら、探して選ぶ価値はあるといえる。とはいえ、7代目全体が上品で多能なオールラウンド・ハッチバックであることに違いはない。

フォルクスワーゲン・ゴルフ(Mk7/2013〜2020年/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ(Mk7/2013〜2020年/英国仕様)

知っておくべきこと

英国の中古車市場を俯瞰すると、過走行気味の7代目ゴルフが5000ポンド前後(約83万円)から売られている。だが、しばらく不安なく乗りたい場合は7000ポンド(約116万円)以上を候補にした方が良いだろう。

8000ポンド(約132万円)以上では、2015年以降の状態の良いゴルフが選べるようになる。2017年以降の7.5代目を探すなら、1万ポンド(約166万円)は必要。2020年式は1万4000ポンド(約232万円)前後になる。

フォルクスワーゲン・ゴルフ(Mk7/2013〜2020年/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ(Mk7/2013〜2020年/英国仕様)

GTIは、英国では最低でも1万1000ポンド(約182万円)の予算が求められる。Rは1万5000ポンド(約249万円)、GTEは1万4000ポンド(約232万円)前後になるようだ。

燃費は1.6 TDI 105で26.2km/Lがうたわれていた。1.6 TDI 115では20.0km/L、1.5 TSIエボでは17.6km/LがWLTPでのカタログ値だ。

AUTOCARの姉妹サイトの調査によると、7代目ゴルフはディーゼルエンジンよりガソリンエンジンの方が信頼性は高いという。ポイントでは、ガソリンが94.6%、ディーゼルは89.4%となっている。数字としては、どちらも酷いものではないが。

当時のメーカーとしての信頼性は、競合30社中の20位だった。

購入時に気をつけたいポイント

トランスミッション

デュアルクラッチATのDSGには、不具合が生じやすかった。フォルクスワーゲンは近年問題をほぼ解決したようだが、初期のMk7ゴルフでは不具合を抱えていることがある。滑らかに変速し、不自然な動作がないか試乗で確かめたい。

エンジン

タイミングチェーンが破断し、重大な不具合に見舞われた事例が報告されている。定期的な点検で未然に防げるため、過去の整備記録を確認したい。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(Mk7/2013〜2020年/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(Mk7/2013〜2020年/英国仕様)

GTIの場合、エンジンオイルを大量に消費する。こまめなオイルチェックは不可欠。エンジンオイルの不足は、タイミングチェーンやエンジン内部の摩耗につながる。

電気系統

欧州仕様の場合、ナビを含むインフォテインメント・システムに不具合が生じやすいという。すべての電装系が正常に動くか確かめたい。

アダプティブ・クルーズコントロールは、ブレーキの制御に問題が生じることがある。ディーラーが調整対応してくれるが、英国では有料だ。

リコール

7代目ゴルフはリコールが多かった。年式によるがエアバックにシートベルト・テンショナー、フロント・ホイールベアリング・ハウジング、フロント・ブレーキディスク、ヘッドレスト、チャイルドロック、リア・ハブキャリア、シートに関するものが出ている。

フォルクスワーゲンのディーラーへゴルフを持ち込めば、どのリコールの対象になり、対応済みかどうか調べてくれる。購入後に1度確認した方が良いだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ピアソン

    Mark Pearson

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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