衰えない大画面カーナビ市場 パナソニックは新型Fシリーズ投入 今後の動向は?
公開 : 2022.12.10 10:45
大画面カーナビの市場動向をレポート。新車販売が右肩下がりでも、市販カーナビの出荷数は、2020年も2021年も同水準。どんな需要が支えているのでしょう?
既販車ユーザーへ浸透 10インチ以上も
ドライブの必須アイテムといえばカーナビ。
手軽に使えるスマホのカーナビアプリは依然として人気だが、近年の底堅いカーナビ市況も見逃せない。
自販連/全軽自協が発表する新車の販売台数を調べると、2020年度に比べて2021年度の実績は9.5%減少している。
しかし、同じ時期の市販カーナビ出荷台数は、ほぼ同水準を維持した。
それを支えているのが、大画面カーナビの需要である。
大画面モデルに力を入れているパナソニックによれば、同社のストラーダFシリーズの装着車両は、2020年は既販車44%:新車56%という構成。
面白いことに2021年は、既販車53%:新車47%と逆転し、既販車ユーザーの割合が大きく伸びている。
また、ユーザー5000人を対象に実施したアンケートでも、3年前の結果に比べて、今年は10インチ以上の機種を望む声が5%アップしているという。
大画面カーナビの需要が既販車のオーナーまで浸透し、画面サイズがより大きなモデルへ関心が移っていることをうかがわせる。
2022年型Fシリーズ発売 鍵は普及価格帯?
週末に各地で開かれているカーナビ・フェアに足を伸ばしてみても、インダッシュ式カーナビのデモカーより、フローティング画面のモデルに足を止める客が多い。
フローティング構造のメリットは、ダッシュボードに2DIN開口さえあれば、8インチ、9インチ、10インチといった大画面に対応できること。
ケンウッド、アルパインといったメーカーもこの市場に製品を投入している。
早くからフローティング構造のカーナビを導入したパナソニックは、地図表示・映像が鮮明な有機ELディスプレイ採用機が人気のストラーダFシリーズをアップデート。
自宅のレコーダーに録りためてある番組をカーナビでリモート視聴できる2022年モデルが12月9日に発売を迎えている。
Fシリーズは、10インチ有機ELディスプレイの上位機種に加え、10万円台後半の9インチHD液晶の機種を揃え、普及価格帯のユーザーも取り込む構えだ。
ライバルのケンウッドは、彩速ナビのフローティング・モデルに9インチ、8インチを投入しマーケットを争う。
大画面カーナビの市場は、普及価格帯のモデルも揃い、各社が独自機能で差別化を図っている。スマホのナビアプリでは物足りないユーザーの選択肢として、これからも進化を続けていくことになるだろう。