派手すぎる1980年代のカスタムカー 20選 お金持ちが買い漁った名作・珍作・駄作

公開 : 2022.12.11 18:05

ネオンに彩られた1980年代、高級車をベースとする仰々しいカスタムカーが数多く作られました。現代ではあまり考えられないような改造が施されたクルマを紹介します。

80's カスタムカーの光と闇

1980年代はクレイジーだった。世界経済が過熱し、街はけばけばしいネオンに彩られ、人々はダンスとショッピングに明け暮れた。この狂乱の10年が幕を閉じると、盛大なパーティーの後のように、誰もがひどい二日酔いに見舞われたのだが……。

さて、この時代、高級車を改造してさらにゴージャスに仕上げたカスタムカーを、富裕層向けに販売する業者が相次いで現れた。滑稽なほど仰々しいクルマが次々と生み出され、顧客は富を誇示するためだけにこれらを買い漁り、乗り捨てていった。

1980年代に作られたド派手なカスタムカーを紹介していく。
1980年代に作られたド派手なカスタムカーを紹介していく。

今回は、1980年代に作られたカスタムカーの中から特に名作・珍作・駄作と呼べるものを見ていこう。

カメレオン・タイフーン(1984年)

メルセデス・ベンツ500 SECをベースにした、お下品なものを得意とするカメレオン社のフラッグシップ商品。スーパーチャージャーをはじめとするエンジンのパワーアップ、ワイドフェンダーの装着、TVやビデオなど最新技術を詰め込んだインテリアなど、あらゆるものが投入された。景気のいいクルマである。

カメレオン・タイフーン(1984年)
カメレオン・タイフーン(1984年)

グレンフロム1000 SEL(1984年)

刑事ドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』から飛び出してきたような、英国製の1000 SEL。ブリストルに拠点を置くグレンフロム社がメルセデス・ベンツW126型Sクラスをベースに製造したものだ。金メッキの外装、36インチも延長されたホイールベース、リムジンのようなインテリアなど……厚化粧にも程がある。

グレンフロム1000 SEL(1984年)
グレンフロム1000 SEL(1984年)

ケーニッヒ・ボクサー(1980年~)

1974年にフェラーリ・ボクサーを購入したドイツのウィリー・ケーニッヒ氏は、もっと速く、もっと個性的なクルマが欲しいと思い、チューニングとカスタマイズを請け負う会社を自ら作ってしまった。それを見た彼の友人たちは、自分たちも同じようにしてほしいと頼み、ケーニッヒ・スペシャルというカスタマイズの帝国が築き上げられたのだ。

ケーニッヒ・ボクサー(1980年~)
ケーニッヒ・ボクサー(1980年~)

リンスピード939(1983年)

ポルシェ911と928を組み合わせたら、どうなるのか。そんなことを考える人がどれだけいるのかはわからないが、928のヘッドライトとテールライトを911ターボに移植し、内外装を白で統一したのが、スイスのリンスピード社によるこのモデル。

リンスピード939(1983年)
リンスピード939(1983年)

オートコーストリツィオーネ・サルバトーレ・ディオマンテ(1983年)

4ドアのコンバーチブルというアイデアは素晴らしいが、このクルマ(Autocostrizione Salvatore Diomante)は当時としても本当に魅力的だったのだろうか? ロールス・ロイスのシルバー・スピリットをイタリア流にアレンジしたもので、1986年当時、約20万ポンドで販売された。現在の価値は、そこからゼロを2つほど差し引いたものだろう。

オートコーストリツィオーネ・サルバトーレ・ディオマンテ(1983年)
オートコーストリツィオーネ・サルバトーレ・ディオマンテ(1983年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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