空力特化の曲線ボディ ヒョンデ・アイオニック6、約780万円から 欧州仕様車
公開 : 2022.12.12 18:25
温かみのある機能的インテリア
グローバル・デザイン責任者のイ・サンヨプは、フラットなフロア形状と人間工学に基づいたキャビン設計により、アイオニック6は「まるで第3の部屋」のように使用できると語っている。
「シングルカーブ(単一曲線)のデザインによって、温かみのある『繭』のような雰囲気がキャビンに生まれます。通常、お客様の購入を左右する主な要因はエクステリアデザインにありますが、EVの場合はインテリアがブランドの差別化に繋がります」
インテリアのカラーリングは、ツートンのグレー、ダークオリーブグリーンとライトグレー、ブラックとペールブラウン、そしてブラックの4種類が用意される。
メーターディスプレイと12.0インチのセンターディスプレイは、1枚のパネルに収められている。フラットな形状センターコンソールは作業性に優れ、フローティングタイプのため収納スペースも確保されている。
アイオニック5と比較すると、よりドライバーを中心としたポジショニングになっている。また、状況に応じて複数のドライブモードを設定できる「EVパフォーマンス・チューンアップ」のほか、車速に応じてムードライティングが変化する機能も導入された。
持続可能性を重視し、インテリアには亜麻ベースの人工皮革、再生PET樹脂、植物油ベースの塗料、リサイクル漁網など、環境に配慮した素材が使用されている。
典型的なものは作らない
AUTOCAR英国編集部は、ヒョンデのグローバル・デザイン責任者、イ・サンヨプ(SangYup Lee)氏にインタビューを行った。
――コンセプトカーの「プロフェシー」から発展させる上で、苦労した点は何でしょうか?
「シングルカーブのデザインで、大きな室内空間を持たせながら、ダイナミックなキャラクターを損なうことなく、『ストリームライナー』のアウトラインを得ることが最も困難な課題の1つでした」
「空力性能は重要な要素です。Cd値0.21というのは、他のEVと比べても素晴らしい数値です。風洞実験には多くの時間を費やしました」
――目指すべき性能は、デザインに影響を与えたのでしょうか?
「ある意味、既定路線ですね。航続距離と機能性は実現しなければなりませんから。しかし、EVというのは基本的に、バッテリーパックにモーターを搭載したものですから、どんな違いを持たせるかが課題となります」
「典型的なものは作りたくありません。アイオニック6では、シングルカーブのデザインを採用しました。これを『セダン』とは呼びたくないんです」
――自動車デザインは、今後も「時代」をテーマに考えていくのでしょうか?
「今はちょっと暗い時代ですが、そんな時でも必ず希望はあります。ヒョンデは、タイムマシンで70年代前半のような素晴らしい時代に戻れるんです」