次期メルセデスAMG GT 冬季テスト車両発見 アファルターバッハ最後のV8世代か

公開 : 2022.12.13 06:25

冬季テストを行う次期メルセデスAMG GTのプロトタイプが目撃されました。2.0L直4のほか、最高出力840ps以上の4.0L V8を搭載するPHEVとなる見込みです。

AMG最強の2ドア・クーペ 来年デビューか

メルセデスAMGは、フラッグシップモデルである「GT」に大幅に改良を加えた第2世代を2023年にリリースする見込みだ。その新たなプロトタイプをAUTOCARのカメラが捉えた。

「C192」と呼ばれる新型GTは、第7世代のメルセデスAMG SLと双子のような関係にある。オープントップはSLに任せ、クーペを担う。両モデルの開発はAMGが引き継いだため、ベンツではなくAMGのエンブレムが付けられることになった。

欧州で冬季テスト中の次期メルセデスAMG GTのプロトタイプ
欧州で冬季テスト中の次期メルセデスAMG GTのプロトタイプ    AUTOCAR

北極圏で行われた冬季テストの写真に見られるように、ロングボンネットとショートテールのおなじみのプロポーションで、2015年に登場した現行モデルと同様、大型のリフトバック式テールゲートが採用されている。

アクティブ・エアロダイナミクスに重点が置かれているようで、SLと同じフロントアンダーボディスポイラーが確認できる。これは、車速が100km/hを超えると下方に約40mm伸び、車体下部にベンチュリー効果をもたらすことで、250km/hでフロントの揚力を50kg低減させるというものだ。一方、リアには、80km/h以上でダウンフォースを増加させる5段階調整ウィングが備わっている。

最新のSLと同様、AMGが主導するプログラムで開発・設計されているが、メルセデス・ベンツの他部門からも技術的支援を受けている。英国に本社を置くハイパフォーマンス・パワートレイン部門は、今年遅ればせながら公開された新型AMGワンにおいて、F1由来のパワートレインのエンジニアリングも担当している。

パワートレインは4.0L V8ツインターボ「M178」で、今回から新たにドライサンプ潤滑方式を採用することが明らかにされている。ドイツで手組みされるこのユニットは、SLと同等の出力を発揮し、新型「GT 53」では475ps、「GT 63」では585psとなる見込み。

4気筒も用意? パワートレイン刷新

現行モデルと同様に、GT R、GT GT3、GTブラックシリーズなど、パワフルなモデルも用意される。中でも興味深いのは、AMGがGT 63 S Eパフォーマンス4ドア・クーペと同じプラグインハイブリッド・システムを搭載する、新型「GT 63 S Eパフォーマンス」の開発にも着手していることだ。

このシステムは、GT 63のV8エンジンとリアアクスルに取り付けられた電気モーターを組み合わせ、合計出力843ps、オーバーブースト時には最大150kg-mを発生させる。新型GTに搭載されれば、フェラーリ296 GTB(830ps)やランボルギーニ・シアン(819ps、限定生産)をも凌ぐ、非常にパワフルなハイブリッドクーペとなる。

欧州で冬季テスト中の次期メルセデスAMG GTのプロトタイプ
欧州で冬季テスト中の次期メルセデスAMG GTのプロトタイプ    AUTOCAR

現段階では、バッテリーサイズやEV走行距離は不明(4ドア・クーペは6.1kWhバッテリーで約12kmのEV走行が可能)だが、ホイールベースの延長によりパッケージングが改善されたと言われている。

GTはSLと同様、直列4気筒および6気筒の両エンジンに対応できるよう設計されている。中でも、SL 43に搭載された2.0L 4気筒ユニット「M254」は、48Vマイルドハイブリッド・システムと電動ターボチャージャーを搭載し、最高出力380ps、最大トルク49kg-mを発生させる。

新型GTには、初代モデルに搭載されていたマグナの7速DCTに代わり、自社開発の湿式クラッチ付き9速スピードシフトが採用される。また、四輪駆動システム「4マチック+」も搭載される見込み。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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