大悪党にも人気? 犯罪史に名を残したクルマ 19選 世紀の大事件から名作ドラマまで
公開 : 2022.12.17 18:05
V8エンジンを搭載したバン
英国の商用車メーカー、フレイトローバーは1985年末、商用バンの300シリーズに3.5L V8エンジンをオプションで設定した。このエンジンは、レイランドDAF 400シリーズ、後にLDVコンボイとなった際も引き続き販売された。
人や荷物を運ぶ移動としては素晴らしく、救急隊や宅配業者からも支持を集めた。プラットフォームは1974年の古いレイランド・シェルパまでさかのぼるというから驚きだ。
ポンティアック・ファイヤーバード・トランザム
数え切れないほどの米国映画に登場し、スターとなったポンティアック・ファイヤーバード・トランザム。おそらく、最もよく知られた登場作品は1976年の映画『爆走!キャノンボール(原題: Cannonball)』と1977年の『トランザム7000(Smokey and the Bandit)』であろう。
『爆走!キャノンボール』は、1971年に米国で開催された違法なクロスカントリーレースがモチーフとなっている。このレースで優勝したのはレーシングドライバーのダン・ガーニーだった。作中では、米国大陸横断グランプリに参加したポンティアック・ファイヤーバード・トランザムが主役となっている。バート・レイノルズ主演の1981年の映画『キャノンボール(原題:The Cannonball Run)』とは混同しないように。
シトロエン・トラクシオン・アバン
英国では逃走用車両にロータス関連のモデルが好まれたようだが、フランスの犯罪者はシトロエンを好む傾向があった。戦後間もない1946年のパリでは、「ル・ギャング・デ・トラクシオン・アバン(Le Gang des Traction Avant)」と呼ばれる犯罪者一味が、その名の通りトラクシオン・アバンを使って武装強盗を繰り返していた。
一味は2月から11月にかけて大胆かつ暴力的な強盗を行い、合計でおよそ8000万フラン(650万ユーロ相当)を盗んだとされる。逃走に使われたトラクシオン・アバンは一時期、銀行強盗や宝石強盗の代名詞となった。
アウディS8
1998年の映画『RONIN(原題:Ronin)』で主役を演じて以来、アウディS8に「高級逃走車」というイメージを抱く人も多いのではないだろうか。1996年発売の初代S8は4.2L V8エンジンを搭載し、2006年の2代目はランボルギーニ・ガヤルドとV10エンジンを共有している。見た目は大人しいのに中身はスーパーカー級という、まさに羊の皮をかぶった狼である。
現在のS8は、4.0L V8ツインターボを搭載しているが、その実力は折り紙付きだ。0-1000km/hはわずか3.9秒のため、銀行からアジトまであっという間に帰ることができる。