銘板復活 ルノーはなぜレトロなデザインを選んだのか 次世代EV、ソフトウェアの重要性とは

公開 : 2022.12.14 18:25

ソフトウェアでクルマを常に最先端に

――次は何を行うのでしょうか?

ルノーは、伝統的な自動車メーカーの中でも、変化する世界により適応した組織となるよう、準備を進めています」

「これまで古典的なバリューチェーンに縛られていましたが、今では新しいモビリティ、EVバリュー、チェーンソフトウェア、循環型経済を手に入れました。これは、サッカーからオリンピックに移行するようなものです。どこもこのような組織化はしていません。それが、わたし達のやろうとしていることなのです」

手前からルノー4EVERトロフィー・コンセプト、5ターボ3E、5のプロトタイプ
手前からルノー4EVERトロフィー・コンセプト、5ターボ3E、5のプロトタイプ    AUTOCAR

「2年前、わたし達は破産寸前で、とても、とても病んでいました。重病の人がどうなるか知っていますか? 彼らは非常にバイタリティがあり、勇気があり、正しい優先順位を持つ傾向があります。ルノーでも同じことが起きています」

――今後、ソフトウェアの重要性は?

「非常に重要です。わたし達は長い挑戦の末、2025年からエレクトロニック・アーキテクチャを一元化し、2030年までの間にすべてのクルマに展開することを決定しました。スマートフォンが通信業界に与えたのと同じようなインパクトを与えることになるでしょう。アーキテクチャをより強力にし、クラウドに接続することで容量に余裕が生まれ、より多くのデータインテリジェンスを得られるようになるのです」

――何が違いを生むのでしょうか?

「まず、クルマはアップグレード可能なので、テスラと少し似ていて、常に最先端であることが挙げられます。テスラの残存価値はおそらく70%ですが、ルノーは45~50%です。2つ目は、この技術が安くなるタイミングが来るということです。3つ目は、クラウドを通じて簡単にクルマがつながることで、歴史上初めて、製品のライフサイクル全体を通じて接することができるようになることです」

「これらを組み合わせると、なぜ集中型のエレクトロニック・アーキテクチャを目指す必要があるのかがわかると思います。わたしは、インテリジェントカーが大好きです。自動運転よりもコネクテッドカーを信じます。自動運転では、自動車メーカーとしてのビジネス上のメリットを感じられないのです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    レイチェル・バージェス

    Rachel Burgess

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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