ベルリンのトラバント博物館 マニア垂涎の展示内容 希少車、変態車との出会い

公開 : 2022.12.24 18:05

世界で最も高価なトラバント

2022年現在、601はコレクターズアイテムとして広く認知されているが、価値は比較的低いままである。写真のカラフルなユニバーサルモデルは、その数少ない例外の1つだ。

2001年、ドイツのテレビ番組の司会者カイ・フラウメ(Kai Pflaume)は、当時のフォルクスワーゲンCEOフェルディナント・ピエヒ(1937-2019)に、1980年代半ばに新車のトラバントを注文したのに、まだ受け取っていないことを告げる。その証拠に、注文書が残っていたのだ。ピエヒは、必ず納車すると約束した。

世界で最も高価なトラバント
世界で最も高価なトラバント    AUTOCAR

伝えられるところによると、ピエヒは低走行距離で水冷式の個体を購入し、ヴォルフスブルクのフォルクスワーゲン工場で直させたという。そして、この模様を描いたのはアーティストのクリストフ・ベルヘン。ピエヒは約束通り、自らトラバントをフラウメに贈ったのだ。

色とりどりのトラバントはドイツ国内を巡業し、その後オークションで4万2500ユーロという額で落札。世界で最も高価なトラバントとなった。このオークションの収益は、「A Heart for Children」というチャリティー団体に寄付されたという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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