オールインワン・ハブ採用 クーパーCG-7Eへ試乗 名ブランドの電動アシスト自転車

公開 : 2022.12.24 08:25

ミニでお馴染みのクーパーから電動アシスト自転車が登場。ロンドンっ子が嗜む新モデルを英国編集部が評価しました。

バッテリーとモーターをリア・ハブに内蔵

英国のレーシングカー・コンストラクターとして、1950年代にはF1での優勝経験を持つクーパー・カー・カンパニー。1960年代には創業者のジョン・クーパー氏がBMCミニへ注目し、チューニングを施すことで「クーパー」の知名度は一気に高まった。

その後ガレージは閉ざされ、クーパーというブランド名はBMWが保有している。だが2009年に創業者の息子、マイク・クーパー氏がクーパー・カー・カンパニーの新部門としてクーパー・バイク・カンパニーを設立した。

クーパーCG-7E(英国仕様)
クーパーCG-7E(英国仕様)

2017年にはドイツのテクニ・バイク社とパートナーを組み、複数の電動アシスト自転車を提供するまでに至った。本家クーパーによる、今の時代に対応した自転車の完成度はどの程度なのか。クラシカルなフレームが特徴の、CG-7Eを試乗してみよう。

センタースタンドを立てて眺めてみると、CG-7Eのスタイリングはカッコいい。ミニ・クーパーとのつながりを感じ取れるかどうかは見る人によるとは思うが、レトロ感のある雰囲気が好ましい。

電動アシスト自転車ながら、一見すると駆動用バッテリーの搭載位置がわからないと思う。オシャレも大切なクーパーらしく、リアハブ部分に駆動用モーターと一緒に内蔵されている。イタリア・ゼフス社による画期的なオールインワン・ハブだ。

駆動用モーターの出力は250W。バッテリーの容量は173Whとなっている。

アシスト量の調整はスマホのアプリで

一般的に電動アシスト自転車は、ハンドルバー部分に搭載されるコントローラーでパワートレインを制御することが多い。しかしCG-7Eの場合、ゼフス・ビットライド(Zehus Bitride)というスマートフォン・アプリでオールインワン・ハブを司る。

アプリを起動させると、エコ、ターボ、ターボカスタムといったライディングモードが選べる。電動アシストを完全に切ることも可能だ。

クーパーCG-7E(英国仕様)
クーパーCG-7E(英国仕様)

エコ・モードを選択すると、ゼフス・ビットライドは最長60kmのアシスト距離を表示する。ターボ・モードを選ぶとパワーが増すかわりに、最長40kmへ短くなる。ターボカスタム・モードは、ライダーがアシスト量を変更できるため距離も変化する。

実際にCG-7Eへ乗ってみると、実際にそれに近い距離をアシストしてくれる様子。今回は高低差のある32kmを走ってみたが、とても良く機能していた。

このゼフス社のオールインワン・ハブは、一般的な回生ブレーキに準じる機能として、KERSシステムを搭載する。F1のエネルギー回生システムとして、聞き覚えのある方もいらっしゃるだろう。

走行中にペダルを軽く逆回転させると、駆動用モーターは発電を開始。減速するのと同時に、駆動用バッテリーへ電気が蓄えられる。違和感なくスピードを落としつつ航続距離を伸ばしてくれ、効果的に思えた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    Move Electric UK

    Move Electric UK

    英国の純EV専門メディア
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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