ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ・プロトタイプ
公開 : 2014.09.04 23:40 更新 : 2017.05.29 19:17
ジャガー・ランドローバー社のスタビリティ・コントロール・システム兼テレイン・レスポンス部門のチーフ・エンジニアであるカール・リチャーズ氏とともに、無数のスイッチバックや急斜面が続く、イタリアは東アルプスの一部、ドロミーティ山群でランドローバーの7シーター、ディスカバリー・スポーツを試乗することにした。
リチャーズ氏がランドローバー社で働き始めたのは1997年のこと。まず始めにフリーランダーの傾斜コントロール・システムの開発に携わったのだそう。”それ以来、同プラットフォームをもつフリーランダーⅡやイヴォークにも関わることになったのです” と、リチャーズ氏は話し始めた。
ディスカバリー・スポーツのプロトタイプは、内装こそカムフラージュされ、安全のためにロールケージが組み込まれているが、生産開始への最終段階まで仕上がっている。
また試乗に持ちだしたクルマには、エンジニア用の、電子システムを接続したり切り離したりすつためのスイッチも追加されていた。
エンジンの暖気を済ませ、もう一台のテスト用のディスカバリー・スポーツを後方に携えて標高2,236mのジアウ峠へと繰り出す。
数あるうちの最初のヘアピン・コーナーに勢い良く突入するやいなや、リチャーズ氏は ”ここで最も重きをおいている点は動力性能に関するテストなのです” と教えてくれた。”これこそスタビリティ機能が絡む重要な要素なのです” とも。
コーナーの入り口ではABSが作動する。そしてコーナー中盤ではDSCが仕事を始め、幾ばくかのアンダーステアを感じたのちに、トルクベクタリングの介入により内輪にブレーキが掛かり、理想的な回頭性を得ることができる、というように細かい要素の全てが一斉に調和して初めて、カスタマーの期待するスポーティネスが実現されるのだと言う。