ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ・プロトタイプ

公開 : 2014.09.04 23:40  更新 : 2017.05.29 19:17

もっとも筆者を驚かせたのは、かなりハードに、そして速くコーナーへ侵入していたのに、ディスカバリー・スポーツは険しい顔ひとつせずに颯爽と走り抜けていた点だ。氏の運転を横で見る限り、入力に対する反応は迅速そのもの。アンダーステアは最小限に抑えられ、急な斜面で幾度となくハード・ブレーキングをしているにも関わらずフェードする気配は感じられない。

”われわれの最終的なゴールは、あらゆるドライバーが気持ちよく運転できるというということなのです。それを実現には、いかにオンロードでシステムがうまく作動するのか、ということがキーポイントになってきます” と、リチャーズ氏。 ”しかしながらシステムがうまく作動することはあくまでゴールのための通過点でしかありません。そこにディスカバリー・スポーツならではのキャラクターやフレーバーが付加されること。そこまで仕上ってようやく運転が楽しくなるのです” と続ける。

実際に走らせても ’スポーツ’ というモデル・ネームに恥じない、予想を遥かに上回る出来栄えだった。中でも特筆すべきは乗り心地と安定感。想像を上回る硬さだったけれど、そこに不快感は全くなく、またボディ・ロールも極々最小限に抑えられているのだ。

感想を伝えてみると ”それに関して、私には信念と自負があるのです” とリチャーズ氏。 ”首尾一貫性をもち、手のひらの上で転がす感覚、さらにドライバーの思った通りに動く、という3つに重点を置いて調整を続けてきました”

オフロードにおける性能に対しても妥協はない。今やこのグループのベンチマークとも言えるポルシェ・マカンBMW X3アウディQ3を目標にしたのはもちろんのこと、同メーカーのランドローバー・ディスカバリーも参考にしたのだそうだ。

”緑色のランドローバーのエンブレムを持つ以上は、オフロードにおける性能の卓越は必須事項とも言えるのです。この点においては、かねてからわれわれが蓄積してきたハードとソフト両方の知恵を余すことなく取り込みました” と誇らしげに話してくれた。

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