筆者はガソリンとディーゼル・エンジンの両方を試したが、両エンジンともにZF製の9速トランスミッションとの相性はとても良い。次々と地形が変わる路面をかなりの速度で攻めてみても、ギアの選択は迅速かつ的確だ。

4WDシステムのパワー伝達の完成度も既に高く、問題といえるような問題は見当たらない。ひどく険しい道でもドライバーに苦労を強いず、素早くトラクションを制御するおかげで、足腰が強く、頼れるSUVであるという印象を与えてくれる。

リチャーズ氏の率いるチームは、1日で1,600km余りをプロトタイプで走破するハードなメニューを1週間続けたが、それでもディスカバリー・スポーツは決然たる態度を少しも崩さなかったと言う。その後にベルギーまで走らせ、サーキットで全力走行のテストをしてもやはり力尽きる気配を見せなかったのだそうだ。タフなのは決して見た目だけではなさそうだ。

”このクルマが欲しいカスタマーは、動力性能と実用性、そして冒険ができることを期待しています。そんなカスタマーに決して失望させることはないでしょう” とリチャード氏。どこを走っても、ドライバーの要求に答えてくれそうだ。

全てのコンディションに適応し、あらゆる能力を保証してくれるクルマを欲するのが、ここ最近の市場の傾向ともいえる。7人が乗れて、先進技術が満載、そして運転の楽しさをも与えてくれながら、オフロードでも力強く走るディスカバリー・スポーツは、高い評価を得るに値する力を持っている。

”オンロードやオフロード、すべての路面状況で満足して頂けるはずです。もしそうでないならば、われわれはここまでの自信を持てないでしょう” とリチャーズ氏は締めくくった。

(ルイス・キングストン)