軽規格のセブン復活! ケータハム・セブン170Rに試乗 車重440kg 待望R仕様

公開 : 2022.12.20 07:45  更新 : 2022.12.20 09:21

ケータハム史上最軽量440kgセブン170R試乗。ジムニーのパワートレイン×エブリィのリアアクスルです。

史上最軽量、蘇った純粋な一滴

今回が自動車メディア初仕事だという20代の写真家、村田研太郎くんがケータハム・セブンを目の当たりにして「宇宙船みたい!」とつぶやいた。世代が違えばそんな新鮮な見方もあるんだなぁと感心させられた。

1957年製から現行車まで65年ほどの間に登場したセブンのほぼ全てに触れたことがある筆者にとっても、今回のセブン170Rは「単なるセブンの新車」ではない。

ケータハム・セブンの車重170Rは、史上最軽量、僅か440kgしかない。一時生産が途絶えていた軽規格のセブンが、より純度を高めて復活した。標準の「S」と今回から追加されたサーキット狙いの「R」から選べる。
ケータハム・セブンの車重170Rは、史上最軽量、僅か440kgしかない。一時生産が途絶えていた軽規格のセブンが、より純度を高めて復活した。標準の「S」と今回から追加されたサーキット狙いの「R」から選べる。

プレスリリースによれば、その車重は史上最軽量、僅か440kgしかないという。いや待てよ、1957年の初代ロータス・セブンは400kgを切っていたはず! と思って確認すると「ケータハム史上」と書いてあった。ナルホド、さすが。

軽自動車規格のセブンが初登場したのは2013年のこと。スズキジムニーのパワートレイン(660cc、3気筒エンジン+5速MT)とエブリィのリアアクスルを装備した日英合作のライトウェイトスポーツカーはケータハム人気を再燃させた。その理由はパワーや軽さが原初のセブンのそれに近かったから。

だとすれば今回のセブン170Rは純粋さという点で先代の160を凌ぐ1台といえるのかも。一時生産が途絶えていた軽規格のセブンが、より純度を高めて復活したことは大いに歓迎すべきことだといえるだろう。

軽セブンが消えた空白の2年間、なぜ?

先代のセブン160は2019年に生産を終えている。なぜか?

ジムニーの代変わりでエンジンの生産が終了したから。

カーボンケブラー製のシートは、その薄さゆえ光を透かす。試乗車はカーボン系のオプション(ノーズコーン、前後フェンダー、シート等)がテンコ盛り。おそらく440kgよりさらに軽い個体なのである。
カーボンケブラー製のシートは、その薄さゆえ光を透かす。試乗車はカーボン系のオプション(ノーズコーン、前後フェンダー、シート等)がテンコ盛り。おそらく440kgよりさらに軽い個体なのである。

それから170登場までの空白の2年間は、スズキが新型ジムニーの生産に追われ英国にコンポーネンツを送る余裕がなかったという理由による。

170の心臓は現行ジムニーをベースにチューンされた660ccの3気筒ターボで、最高出力は160より5ps増しの85ps。

また170は標準の「S」と今回から追加されたサーキット狙いの「R」という2つの仕様から選べるようになった。

今回の試乗車は170「R」で、しかもカーボン系のオプション(ノーズコーン、前後フェンダー、シート等)がテンコ盛り。おそらく440kgよりさらに軽い個体なのである。

最高出力は85psなので1t当たりの出力は193ps! 速さは必要にして充分なはずだが、セブンの価値は「軽さ」によって決まるもの。バイクのような車重がセブン170にどのような可能性を与えているのだろうか?

カーボンケブラー製のシートはタイトだが、そもそもコクピットの幅がタイトなのでシートはその寸法に従っただけなのだろう。

ドライバーの眼前のカーボン製レーシングスクリーンがあまり良い仕事をするとは思えないので、乗員は防弾スペックのゴーグルが必須となる。

さあ走り出してみよう!

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    村田研太郎

    Kentaro Murata

    1997年生まれ。シンガポール出身、神奈川県川崎市在住。17歳の時に報道写真に影響を受け写真家を志し、日本大学芸術学部写真学科を卒業。2018年に渡英し、ロンドンにてTakahito Sasakiに師事しながら、ファッション写真のジャンルを中心に写真家としてキャリアをスタート。以後、広告からドキュメンタリーまで、ジャンルを問わずに活動中。駅をアートで埋める企画YAMANOTE LINE MUSEUMに参加している。

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