なめたらアカン! 世界規模のEVメーカー「BYD」 日本で見せる本気の戦略 充実の保証や認定中古車まで
公開 : 2022.12.19 05:45 更新 : 2022.12.20 08:59
試乗した人の声は? BEVオーナーも高評価
こちらに関してはBYDオートジャパン東福寺社長への個別インタビューで確認してみた。
「来場者へのアンケートや試乗してくれた人に聞いたところ、ネガティブなコメントはそれほど多くはなかったですね。少なくとも、はっきりと『中国車はダメだ』と言っている人はいませんでした」
「多かったのは、「乗ってみると意外とよかった」「想像以上に良い印象」「パワフルで驚いた」という声でした」
「ですが、これらはあくまでもBYDのイベントにきて、興味がある人だから好意的に見てくれているというのもあるでしょう」
「具体的にはエクステリアデザインの評判はおおむね高いものでしたが、インテリアは好き嫌いがはっきりわかれました」
「『斬新なデザインで面白くてよい』という人もいれば、『なんだかBUSY(=派手でうるさい感じ)で趣味じゃない』という方もいらっしゃいました」
「動力性能は押しなべて高評価でした。初めてEVに乗る方は特に驚かれていましたね。トルク感があって加速が鋭い。それでいて静かですごいですねと驚かれました」
「また、横浜赤レンガ倉庫で約1か月間にわたって展示や試乗をおこなった際にはテスラやリーフのオーナーの方々が『BYDどんなものか?』という感じで試乗に訪れました。
すでにEVに日ごろ乗っている方々からは、『ボディの立て付けがいい。ドアの開け閉めをした際にもインパネのびびりなどが一切ない。日本車やテスラと変わらないですね』『動力性能をいろいろ試してみましたがリーフと変わらない印象です』などの声を頂いています。ふだんBEVに乗っている方々からのお褒めの言葉はとても嬉しいものでした」
保証充実 アフターフォローの手厚さが凄い
最後にBYDのアフターフォロー体制について紹介しておきたい。
これは7月21日の発表会でもBYDジャパンの劉社長が話していたが、「初めて乗る中国車であり、ほとんどの方にとって初めてのEV」になることから、クルマに対する不安を極力少なくしたいという想いがひしひしと伝わって来た。
それがこのたび具体的に公表されたわけだが、オンライン販売をせず実店舗にて対面で販売をすることをはじめ、対面での販売方法にこだわったもので、アフターフォローの手厚さにも注目が集まっている。
実店舗は2025年末までに全国100店舗以上を展開予定。
2023年第1陣として22店舗がオープンし、1月下旬より順次、開業準備室が設置される。
これらのうち越谷、東名横浜、堺は2023年第1四半期に実店舗が開業となる。
札幌、水戸、つくば、宇都宮、前橋、熊谷、越谷、柏、東名横浜、港北、金沢、富山、山梨、岡崎、知多刈谷、名古屋東、岐阜、四日市、松坂、EXPOCITY(吹田市)、堺、沖縄
BYDアット3の新車保証は4年/10万km、駆動用バッテリー保証は8年/15万km/SOH70%
日産リーフ(60kWh)と比較するとそれぞれ、5年/10万km、8年/16万km/SOH66%(8セグメント以下)と大きな違いはなさそうだ。
ディーラー以外の緊急時サポートはいずれも24時間365日の対応で以下の内容となる。
・ロードアシスト 電欠時の駆けつけ充電(最寄りの充電スポットまで走行可能な電力を現地で充電)など走行可能になった場合のサポート
・E-Call 緊急通報が必要になった場合のサポート
また、注目すべきは「認定中古車」についても発表されたことだろう。
「BYD CERTIFIED」と命名され、初度登録から5年/6万km未満の車両を対象にしている。
こちらは最大2年の保証(新車保証期間後、認定中古車保証1年+延長保証1年/通算走行距離10万km)がつけられて、もちろんBYDのディーラーネットワークでサポートが受けられる。
自動車保険についても手厚い体制が用意されている。
SBI損保、損保ジャパン、東京海上日動の3社が「BYD専用自動車保険」の引受会社となることが発表された。
正規ディーラーが代理店となる損保ジャパンと東京海上に加えて、オーナー自身がオンラインで契約できるSBIも選べるのが画期的である。
この専用保険では基本補償に加えてタイヤ、ホイール、バンパー、ドアミラー、ドア、ガラスの6か所について年に1回、いずれか1つが無償で修理対応可能となり次年度の等級にも響かない「オリジナル補償」が付帯される。
補償の限度額はまだ公表されていないが、バンパーをこすったり、ドアミラーをぶつけたりなどの接触キズ程度ならば対象となるだろう。