ルノー8 ゴルディーニ xBMCミニ・クーパーS ワールドカップ優勝国のクルマ 8台を比較(1)
公開 : 2022.12.28 15:05
アルゼンチンが優勝した2022年のワールドカップ。英国編集部では、過去にW杯で勝利を掴んだ8か国のクラシックを比較しました。
もくじ
ーW杯で優勝を掴んだ8か国のクルマ
ーフランス:ルノー8 ゴルディーニ
ールックスの面でもベストプレイヤー
ーイングランド:BMCミニ・クーパーS
ー元祖ホットハッチと呼んでもいい
ールノー8 ゴルディーニとBMCミニ・クーパーSのスペック
W杯で優勝を掴んだ8か国のクルマ
2022年のサッカー・ワールドカップでは、アルゼンチンが優勝した。日本でも盛り上がりを見せた世界的スポーツ・イベントといえるが、過去22回の開催を通じて頂点に登り詰めたのは8か国しか存在しない。非常に狭き門といえる。
そこでAUTOCARとして気になるのは、各国のクルマ。過去の優勝国はどんなモデルを生産してきたのか。それぞれに独自の歴史を持ち、一部の国は他より世界的なプレゼンスが遥かに大きい。スポーツの世界とは、また違った強弱関係がある。
今回は歴代のワールドカップ優勝国の代表として、スーパーカーを除く一般的なモデルを英国編集部のクラシックカー部門が選出。比較してみることにした。候補とした年式は、可能な限り力関係が均衡するように、1960年代から1970年代へ絞った。
もっとも、後進国は少々不利。南米のウルグアイで製造されたクルマは非常に少ないし、ノックダウン生産モデルも含まれている。英国としては有利な条件ともいえる。選出基準も私見によるが。
とはいえ、2か国ずつ代表モデルを乗り比べ、総合優勝となる1台をAUTOCAR的に選び出してみた。ちょっと無理がある?年始企画として、ご一笑いただければ幸いだ。
フランス:ルノー8 ゴルディーニ
W杯優勝:1998年、2018年
レ・ブルーという愛称を持つフランス代表チーム。意欲的なプレーで冬の寒さを吹き飛ばす勢いを持つ。個々の才能が団結すると真の強さを発揮し、過去には2度、サッカー・ワールドカップでの優勝経験がある。
ミシェル・プラティニ氏やジネディーヌ・ジダン氏など有名選手は数多いが、1960年代の自動車業界には鬼才ドライバーのアメデ・ゴルディーニ氏がいた。F1やル・マン24時間レースで名を馳せると、公道用モデルのチューニングへ活躍の場を移した。
彼が最初に手掛けたモデルは、1957年のルノー・ドーフィン。だが、現在でも語り継がれるアイコン的存在といえるのは1964年のルノーR8 ゴルディーニだろう。
リアエンジンのR8は操縦性に難があったものの、巧妙なシャシー・チューニングでマナーを改善。リア・オーバーハングより後ろにエンジンが載るという特性を活かし、優れたトラクションを発揮した。
スローイン・ファストアウトのドライビングスタイルに慣れれば、R8 ゴルディーニのリアタイヤは本領を発揮する。実際、フランス・コルシカ島で開催されたラリー、ツールド・コルスでは1964年から1966年にかけて3年連続優勝を果たしている。
ゴルディーニが得意としたのは、エンジンのパワーアップ。水冷直列4気筒1108ccユニットでは、96psを達成した。クロスフロー・シリンダーヘッドとツインチョーク・サイドドラフト・キャブレターを2基組み合わせ、ノーマルの倍近い最高出力を叶えている。