「味変」したら覚醒しちゃったクルマ 28選 新しいエンジンで本気を見せた名車たち

公開 : 2022.12.31 19:05  更新 : 2022.12.31 19:46

フィアット500

500には当初、4気筒のガソリンエンジンが各種用意されていた。発売から3年後の2007年、注目の技術「マルチエア」を使用した2気筒のツインエアエンジンが導入される。

燃費を公称値に近づけるのはかなり難しく、デュアルマスフライホイールを導入するまでは振動も大きかったようだ。しかし、人気の秘訣は何よりもそのかわいらしさにある。ツインエアが回転すると、見た目と同じように愛らしいサウンドを奏でるのだ。

フィアット500ツインエア
フィアット500ツインエア

フォード・コルティナ

初代コルティナのほとんどは、クロスフローとなる前の1.2Lまたは1.5Lのフォード・ケントエンジンを搭載していた。生産開始から1年後の1963年、新たなパワーユニットによって変貌を遂げたのが、エポックメイキングなロータス・コルティナである。

このエンジンは、基本的にはケントと同じであるが、シリンダーヘッドが全く異なるものであった。ロータス・ツインカムと呼ばれ、前年にスポーツカーエランでデビューしていた。ここで初めて、最高出力100psを超えるコルティナが誕生したのである。その後も改良を重ね、レースやラリーで大活躍。1960年代のホットモデルとして今も語り継がれている。

フォード・ロータス・コルティナ
フォード・ロータス・コルティナ

フォード・エスコート

ロータス・ツインカムエンジンは、前述のコルティナ同様、初代エスコートを特別な存在へと変貌させた。しかし、1970年にコスワースBDAエンジン搭載のRS1600が登場すると、その水準はさらに引き上げられた。

ツインカムと同様、ケントエンジンをベースにしたBDAは、標準仕様ではさほどパワフルではない。しかし、1気筒あたり4バルブとすることで、チューニングに対する柔軟性を高め、結果として初代エスコートは70年代初期から中期にかけて、偉大なラリーカーの1つとなったのである。今でも、フルチューンされたRS1600が林道ステージを駆け抜ける音は忘れられない。

フォード・エスコートRS1600
フォード・エスコートRS1600

フォード・シエラ

コルティナとモンデオの間に位置する欧州フォードのミドルサイズモデル。当初はさまざまなエンジンが用意されていたが、大型のV6を除いては、どれも面白いものではない。大変革をもたらしたのは、1986年に登場したシエラRSコスワースに搭載の2.0L直列4気筒エンジンだった。

定評あるフォード・ピントのエンジンをベースにした地味なものだったが、ターボチャージャーと16バルブの採用で、その性能は大きく向上。最も大人しい仕様でも200psを超える出力を発揮し、さらに競技用に改良を加えれば、600psを上回ることも可能だ。

フォード・シエラ・コスワース
フォード・シエラ・コスワース

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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