「味変」したら覚醒しちゃったクルマ 28選 新しいエンジンで本気を見せた名車たち
公開 : 2022.12.31 19:05 更新 : 2022.12.31 19:46
メルセデス ・ベンツAクラス
3代目Aクラスには、約100〜210psのエンジンが用意されていた。しかし、発売から1年後、メルセデスは四輪駆動のA 45 AMG(後にメルセデスAMG A 45と改称)を導入する。
これによってもたらされた直進加速性能の差は驚異的だった。最高出力は70%アップの360psとなったが、これはまだスタート地点に過ぎない。さらに改良が加えられ、最終的に381psに到達した。現在、メルセデス最速のAクラスは、型は違うが421psを発生する強力なエンジンを搭載している。
メルセデス・ベンツRクラス
すべてのモデルに強力なエンジンを載せようとしたメルセデスは、大型ミニバンのRクラスにも最高出力510psの6.2L V8エンジンを導入した。発売から1年後のことである。
人や荷物をたくさん運ぶミニバンには、確かにパワフルなエンジンが欲しいものだが、Rクラスはまったく別のクルマに変貌してしまう。メルセデス・ベンツR 63 AMGの510psという出力は、みんなが望んでいたよりはるかに巨大なものであった。販売台数はごくわずかで、あっという間にカタログから姿を消した。
MGB
1962年にロードスターのMGBが発売され、その3年後にMGB GTと呼ばれるクーペ仕様が登場した。高性能車を目指して、まず2.9L直6エンジンを搭載し「MGC」と名付けられたが、これは満足のいくものではなく、わずか2年で挫折する。
その後、1973年に2度目の挑戦が行われた。今度はビュイック由来の3.5Lローバーエンジンをクーペに搭載し、MGB GT V8を誕生させたのである。結局は短命に終わってしまったが、大変優れたクルマであったと言われている。
ルノー6
派手な進化を遂げたわけではないが、「味変」による莫大な効果を表す好例である。ルノー6は、それまでの4に代わる上級車として設計されたが、はじめの頃は戦後すぐの旧式エンジンを搭載していた。1968年の発売時には、もっと強力なクレオンフォンテが6年も前に実用化されていたにもかかわらず、である。
1970年、ルノーは正しい判断を下し、クレオンフォンテを投入した。ルノー6は特別に速いということはなく、許容範囲内という感じではあったが、そもそも速い必要もなかった。1974年にAUTOCAR英国編集部が試乗した際、当時の記者は「ルノーのエンジニアは間違いなく、正確に計算したのだろう」と書いている。
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